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その72
切れ端の写真立てと
国旗柄写真立ての巻
弓屋かえる堂さえきあすか


写真立ての王様です
写真立ての王様です

 「ライちゃん」、
  昭和の終わりに亡くなった友人の呼び名です。彼女に会えなくなってから、一緒に写った写真を定期入れに入れて、ずっと持ち歩いてきました。気がつくと20年も経っていたのですね。
 当時は、現在のようにプリクラやデジカメ、携帯電話なんてなくて、写真ってそんなに撮りませんでしたから、唯一持ち歩けたのはこの1枚だけ。だから失くしたと思った時には、半泣きで必死に探し、見つかるとホッとしたこと、20年の間には何回かありました。今となっては持ち歩かないと落ち着かない、お守りのような写真です。
 それが、昨年大切な写真を飾るという趣味(?)ができまして、写真立てを並べてニコニコと眺めているうちに、ライちゃんの写真も飾ろうかなって、自然と思えたんです。こう思えたのは、神保町のすずらん通りにある『文房堂』で売っている写真立てのおかげ。ここの写真立てに出会えなかったら、写真をたくさん飾ろうなんて思いませんでした。全部木製なので、いろんなデザインのモノを並べても、統一感があるというか、なんとなくしっくりくるのです。  私がお目当てとする文房堂の写真立ては、「フレームのリサイクル品」といって、大きな額をつくった時の余りというか、切れ端でつくった特価品です。なので、気に入るデザインのモノがあるかどうかはお店に行ってみないとわかりません。たまたま行った時にピンッとくれば、ご縁があったと思い、喜んでつれて帰っているのです。そうそう、その56でご紹介した戦前の絵葉書を飾った金縁のフレームも、その69で、お花の刺繍を飾った水色とピンク色のフレームも文房堂からきました。余談ですが、この刺繍は私の祖母が92歳の時につくってくれたもので、フレームに入れたら大切さが増しました。
 今回飾りたいライちゃんの写真は、定期入れに入る大きさです。合うフレームがあるといいけどって思いながらお店に行くと、深緑色に銀色でお花が彫ってある小さな写真立てがありました。ひと目でこれにしようと思い、その場で写真を入れてもらって、つれて帰りました。

切れ端の写真立てを並べて
切れ端の写真立てを並べて

 そんな写真立てにちなんで、今回はひと昔前にアンチモニーでつくられた写真立てをご紹介します。6年くらい前に家にやってきた時から、写真を飾りたいと思ってきたのですが、あまりにもまわりの装飾が個性的というか、インパクトが強いので、この装飾に負けない写真を今日まで撮ることができず、写真なし状態で飾っているのでした。
 どこで出会ったかというと、東京ビックサイトで年2回開催される“骨董ジャンボリー”です。溢れんばかりのモノたちの中で、キラリと視界に飛び込んできたのです。この写真立てには7ケ国の国旗が菊やバラの花と一緒に描いてあります。いつ頃つくられたモノなのでしょうか? いろいろな国の国旗が描いてあるモノといえば、同盟記念やオリンピックなどのスポーツ、もしくは博覧会の記念品などがあり、文房具や玩具、食器、着物などに描いてあるのは見たことがありますが、写真立てははじめて見ました。旗の種類から第一次世界大戦の同盟国かとも思ったのですが…。ご存知の方がおられたら教えてほしいです。
 それにしても、私の前の持ち主さんは、いったいどんな写真を飾っていたのでしょうか? 写真が今よりもっと価値があり、貴重だった時代につくられた写真立てです。きっと、きちんとした装いをして、写真館で写した写真を飾ったに違いありません。今は手軽に写真が撮れる時代ですが、私は自分にとっての節目に、オシャレをして写真館で記念写真を撮って飾ることはステキだなぁと思うのです。

国旗模様の写真立て
国旗模様の写真立て




2008年2月13日更新
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その71 富山の薬箱はひきだしの巻
その70 水アイロンと桜&鈴印のコテの巻
その69 『がらくたからもの』対談と主張する平和記念“糸とおし”の巻
その68 宇都宮からやって来た鳳凰が描かれた小箱の巻
その67 野球少年柄のランドセルとランドセル柄の帯の巻
その66 三峯神社と戦前の迷子札の巻
その65 浦賀からやってきた江戸時代の灯芯押さえの巻
その64 戦前の牛乳ビンは花瓶の巻
その63 便利な実用品『回轉式踏台』の巻
その62 美味しい野菜&野菜種袋の巻
その61 元旦の福袋!日満ポンプと戦前鉛筆削りの巻
その60 国産マッチ創始者『清水誠』とマッチ入れの巻
その59 “萬年海綿器”と“スタンプモイスチャー”の巻
その58 上野「十三や」のつげ櫛の巻
その57 斎藤真一『紅い陽の村』と『夫婦岩』の大皿の巻
その56 ケロちゃん色の帯と『LUNCOの夏着物展』の巻
その55 こわれてしまった招き猫「三吉」の巻
その54 下北沢の『古道具・月天』と画期的発明鉛筆削りの巻
その53 無料で魅力的なモノ、例えば「ケロちゃんの下敷き」の巻
その52 時間の整理と時間割の巻
その51 自分へのごほうび、昔の文房具に瞳キラキラの巻
その50 アンティーク家具を使ったブックカフェで…の巻
その49 『Lunco』と『小さなレトロ博物館』、着物だらけの1週間の巻
その48 コルゲンコーワのケロちゃんと『チェコのマッチラベル』の巻
その47 「旧軽の軽井沢レトロ館にてレースのハンカチを買う」の巻
その46 濱田研吾さんの『脇役本』、大山と富士山型貯金箱の巻
その45 横浜骨董ワールド&清涼飲料水瓶&ターコイズの指輪の巻
その44 『セルロイドハウス横浜館』とセルロイドのカエルの巻
その43 奈良土産は『征露軍凱旋記念』ブリキ皿の巻
その42 ブリキのはがき函と『我楽多じまん』の巻
その41 満州は新京の絵葉書の巻
その40 ムーラン鉛筆棚の巻
その39 「Luncoのオモシロ着物柄」の巻
その38 ペンギンのインキ壷の巻
その37 「更生の友」と「ナオール」こと、60年前の接着剤の巻
その36 鹿の角でできた「萬歳」簪の巻
その35 移動し続けた『骨董ファン』編集部と資生堂の石鹸入れの巻
その34 「蛙のチンドン屋さん」メンコと亀有名画座の巻
その33 ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰの巻
その32 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 後編
その31 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 前編
その30 『家庭電気読本』と上野文庫のご主人について‥‥の巻
その29 ちんどん屋失敗談とノリタケになぐさめられて‥‥巻
その28 愛国イロハカルタの巻
その27 ちんどん屋さんとペンギン踊りの巻
その26 「ラジオ体操の会・指導者之章」バッチと小野リサさんの巻
その25 針箱の巻
その24 カエルの藁人形と代用品の灰皿の巻
その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻
その22 東郷青児の一輪挿しの巻
その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
その15 単衣名古屋帯の巻
その14 コマ太郎こと狛犬の香炉の巻
その13 口さけ女の巻
その12 趣味のマーク図案集の巻
その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
その9 カール点滅器の巻
その8 ピンク色のお面の巻 後編
その7 ピンク色のお面の巻 前編
その6 ベティちゃんの巻
その5 うさぎの筆筒の巻
その4 衛生優美・リリスマスクの巻
その3 自転車の銘板「進出」の巻
その2 忠犬ハチ公クレヨンの巻
その1 野球蚊取線香の巻


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