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その76
昭和13年ライオン常用日記と
手帳の巻

弓屋かえる堂さえきあすか


 手帳を買いました。5年間は使う決心をして大奮発です。銀座の伊東屋で、ベージュのイタリアンレザーを使用したファイロファックス社製の6穴システム手帳&専用のボールペンを購入したのです。カバーに名前をいれてもらうと、自分だけの手帳って気持ちでいっぱいになり、「頑張って働くゾ!」なんてニンマリ。

手帳を買いました
「手帳を買いました」

 私は10年ほど前から6穴のシステム手帳を愛用しているのですが、こんな高価な手帳にしたのは、はじめてのことです。これからの自分に投資?というか、時間の管理をしっかりしようと、たくさん用紙を挿むものを探していたら、この手帳に出会いました。つくりの丈夫さはもちろんのこと、デザインもシンプルで飽きがこなさそうですし、ベージュは大好きな色のひとつなので、エイッと勇気を出して購入したのです。これから私のそばで時間を管理してくれる、力強い相棒になってくれることを願いながら。
 私にとって手帳は日記のような存在でもあります。1年が終わるとプラスチック製のシステム手帳に入れ替えて、その年に撮ったお気に入りの写真を表紙にして整理するのです。今では9冊になったその手帳を時々並べてみると、写真を見るだけで、その年にあったことを思い出し、ページをめくって出来事を確認するのです。この手帳の整理の仕方は、われながらグッドアイディアと思っているのですがいかがでしょう。そしてもうひとつ、実は義理の母が易に凝っていることもあって、易が当たっているかどうかを確認するのにも役立っていたりします。卯辰巳午未申酉戌亥子…昔からの時の数え方である干支と年齢を、手帳の背に貼っておくと実に便利です。

私の手帳整理法
「私の手帳整理法」

 今回ご紹介するのは、昭和13年にライオン歯磨本舗より50銭で発売された『ライオン常用日記』です。
 昭和13年は寅年ということで、勇ましい寅が描かれたカバーがかけられており、カバーをとるとベージュの布貼りがされています。そして、12星座が型押ししてあるデザインに、干支と星座?和洋折衷?と首をかしげつつも、時間を表現するにふさわしいデザインなのだと嬉しくなってしまうのです。

昭和13年は寅年
「昭和13年は寅年」

 日記の序言には、「日記は個人の歴史である。一國には一國の歴史がある。國が独立していなかった時には、……少なくとも、まだ自覚していなかった時には、それの歴史がなかった。國民が目覚めてくると、歴史がおのずからある。― 中略 ― 自覚したものはみづからの歴史をつくる。それが権威ある日記である。」と書いてあります。う〜む。昔の人は、日記に対しても真面目というか、きちんとした考えをもっておられたのだなぁとしみじみ思います。
 日記の後半には、ライオン歯磨らしく、歯ブラシの歴史や歯磨き粉の広告などがあります。そして驚いたのは、『毒ガスと其処置』についての説明や、『帝國軍艦』、『帝國軍備』の説明、『列國新兵器一覧』など載っていることです。昭和13年という時代が、少しだけ垣間見ることができる日記といえます。

星座の型押しがステキ
「星座の型押しがステキ」

 さて、私の手帳日記は、これからも増えていくことでしょう。今後は自分のことだけでなくニュースも書き込みながら、遠い将来振り返った時には、時代を読める?ような日記にしたいものです。


2008年 8月20日更新
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