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「僕のダイヤモンド・デイズ」タイトル

似顔絵トランポリン・松岡

第十ニ回『シロクロ本番写真と五本の指』


 ズバリ、僕の性生活は極めて淡泊であるが、頭髪が薄く髭面からか、酒の席などでは抜かず三発のような元気があるように言われて困ることがある。
 面倒臭いので五十一歳がはにかむように笑ってみせると、ほらッ、週二がイケるクチだと茶化され騒がれる。
 確かに、パンツ代わりに一年中白綿の越中褌で過ごす僕は変わり者と自分でも思うし、勿論、ナニも小振りでスタミナもないくせにセックスは大好きである。が、一発でかなりの疲労、そんな元気はない。

 暇な時に、僕はよく叔父の所に出かけては半日くらいコーヒーを飲みながら、それこそ抜かず三発の元気者と茶化されて困るとかあれこれ話し捲って帰るのだが、その叔父もコレまた僕以上に変わり者で、子供は一人でもナニ自慢のセックス大開放型人間。
 特に夏など、水風呂上りのスッポンポンで麦茶を持って歩き回り、扇風機を居間の中央に持ち出して僕の目の前で自慢のナニに風を当てる叔父は、丸見え全然平気のチンぶら生活者なのである。

 そんな叔父に、ずっと以前、僕が子供の頃に一枚だけ見たシロクロの本番写真の話をしたのがやたらと盛り上がってしまい、大変だったことがある。
 僕が、男女のそういった写真を見たのはそれが最初で最後ではあるが、小学生の僕が見た一枚のシロクロ本番写真は、年長者のムッちゃんが僕たちに見せたモノだった。当時は現代と違い、小学生から高校生までくらいの年齢の者が集まり一緒に遊んでいた時代、シロクロ本番写真を見るような小学生には少し早い出来事はよくあったのだ。

シロクロ本番写真

 前のはだけた浴衣の下から大きく起立した男性器を露出させ上向きになって寝ている小柄な男の上に、カメラ目線と言うか顔をこちらに向けた四十歳くらいのポッチャリした女がやはりアソコが見えるように着物の前を大きくはだけさせて屈み込み、男性器を当てがっている写真であった。
 後ろは襖、敷かれた真っ白な一枚の布団の上。初老とも若いとも判別できない小柄な男は意識して見せない感じに顔を背けていた。
 現代の裏ビデオに見られるような何度も激しく突き立てる荒々しい男のセックス感はないが、暗くじっとりと湿気を帯びた部屋の感じはどこか物寂しく、演出された二人のセックスが大人の性を甘く淫靡な果実と思わせる写真でもあった。
 ニッポン・セックスの静止画像のようなソレが何の写真か子供の僕にもすぐわかって、顔がボーッとなる程興奮した出来事を叔父に話したのだ。

 「本番写真、凄いやろ」
 叔父はそう言った後で、自分の若い頃も必ず誰かがシロクロの本番写真を持ってきて見せるので中から好きなヤツを一枚借りて帰り、写真をこう左手に持って飽きる程ヤッタヤッタと際疾い自慢。例えば、ナニはデカいがピンピンにならない五十男の場合などには上向きに寝て、ソレが固く立ってる感じに写して見せるわけだと、小柄な男がなぜ寝ているかを名探偵ポアロ気取りで僕に解説した。
 さすが写真の見方が違うと驚く僕に、叔父は手をグーチョキパーのパーの形に広げて見せ、親指が十代、人差し指が二十代、次が三十代、四十代、そして小指が五十代という男性自身の年代別角度がコレ、そんな感じがするだろと自信ありげにつけ加えた。

五本の指

 その後、叔父の言った小柄な男が寝ている理由などはすっかり忘れていた僕だが、最近、叔父のあの解説が本当のように実感。

 寝正月の今年、コタツの中で最近ない程の逞しい朝立ちを感じ、上向きに寝たまま手を入れて何となく触れてみると、今夜はとソノ気になる程の硬直状態。それこそ親指の角度どころの騒ぎではなく腹にピタッ当たる感じに、僕はニンマリ気分で急いで起きてモッコリのそのまま全身鏡で横向きを見ると、それが小指の角度なのである。
 今年に入って何度かそんな元気に恵まれてその度に僕は急いで鏡に写して見たのだが、チョコと持ち上げてもグッとナニに力を入れてみても、結局、フニョーッと五十代の小指の角度に落ち着いてしまうのであった。うーショックーと言う感じである。

 先日、久しぶりに出かけた時にそれを思い出して叔父に話したところ、満面に勝利者のような笑みを浮かべて僕と握手。仲間、仲間と煩く言われながら、僕は股間をポンとたたかれてしまった。
 ナニ自慢で六十八歳の叔父に仲間と言われつい握手をしたものの、角度は同じでも硬さが絶対少しは違うはずと心では困惑状態のまま、僕は叔母が運んできてくれた麦茶を一口飲んだ。


2003年1月30日更新


第十一回『永遠のオナペット、渥美マリ』
第十回『ジェームズ・ボンドのセックスとナニの話』
第九回『二十一歳の冬、僕とフォークと喪失と。』
第八回『大阪スチャラカ物と言えば、てなもんや三度笠で決まり。』
第七回『嵌った嵌った、森繁の社長シリーズとアレコレ』
第六回『ジュンとネネではなく、VANとJUNの話』
第五回『夏は怪談映画、あの映画看板も僕を呼んでいた。』
第四回『青春マスターベーション』
第三回『ワッチャンの超極太チンポ事件』
第二回『中高年男性、伝説のモッコリ。スーパージャイアンツ』
第一回『トランポリンな僕のこと、少し話しましょうか。』


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