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「絶滅紀行」タイトル

田端宏章
第9回
徳用マッチの面白さ その3

スリーエイト(パパヤ)印(神戸マッチ)


 2回続けてご紹介した徳用マッチシリーズも今回が最後となります。同様に、今でも買える徳用マッチの図像コレクションをご紹介いたします。ライター全盛期の昨今、金物屋や雑貨屋のスミでホコリをかぶっている大箱小箱のマッチ達。今回は、そんな徳用マッチの中から、記憶にあるけどあまり売っているのを見たことがない(失礼!)マッチをご紹介したいと思います。

 徳用マッチは、製造元の工場から雑貨専門の問屋さんに運ばれます。そこから各お店に納品されるわけですが、どの種類がどのお店に置いてあるかは、問屋さんにしかわかりません。マッチの売り場所を問屋さんに聞いてしまえば持っていないマッチを集めるのは簡単ですが、集める側からすれば、それは邪道です。どの店にどんなマッチが置いているのか、いわばギャンブルにも近い愉しみがそこにはあります。そして、まだ持っていないマッチを見つけた時の感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。

 では、見つけた時に髪の毛が逆立つような感動を与えてくれたマッチ達の紹介です。

★菊水印(工業組)…京都で見つけました。京都で菊水、というのがなんとなく因縁を感じます。マッチにふさわしく、歴史すら感じさせる図像です。これが神社で使われていたら面白いんですが。

菊水印(工業組)

★ベビー印(八家化学工業)…あきらかに「○ティー」ちゃんのマークです。が、その記載はどこにもありません。ベ○ィーちゃんを「ベビー」としたところが絶妙です。いいのかな、これ。そういえば、「駅前ガラクタ商店街」のさえきあすかさんが、ベ○ィーちゃんの本を編集しているそうです(もう出たのかな)。そちらの本も宜しくお願いします(光芸出版という出版社から出ます)。くわしくは、さえきさんにお問い合わせ下さい。

ベビー印(八家化学工業)

★スリーエイト(パパヤ)印(神戸マッチ)…広島で購入。数字モノはいくつか存在しています(例:123、NO.1)。これはその中でも3つ揃いのモノです。私は以前、「888(パパヤ)のレモン石鹸」という商品を見た事があります。これとそれとが関係あるのかわかりません。しかし、888は何を意味しているのでしょうか?777ならわかるのですが。

スリーエイト(パパヤ)印(神戸マッチ)

★スリーナイン印(中外マッチ)…もちろん、銀河鉄道とは関係ありません。888と999はどちらが先に商品化されたのでしょうか。777(ラッキーセブン)印マッチの発売(又は発見)を切に希望します!

スリーナイン印(中外マッチ)

★マルニホン印(八家化学工業)…ベ○ィーちゃんのマッチと同じ会社です。実は、ベ○ィーちゃんのマッチの裏面もこの図像が描かれています。これは、裏表ともマルニホンのマッチです。異常に細長い日本国土が赤マルの中に描かれてマス。

マルニホン印(八家化学工業)

★人形印(第一燐寸)…たぶん「ひとがた」と読むのでしょう。ダンディーな男が煙草に火を付けている図です。なんでこれが「ひとがた」なのか、その微妙な解釈こそ徳用マッチ最大の魅力です。これだったら「紳士印」とか「モボ印」だよなぁ、普通。

人形印(第一燐寸)

★日の丸櫻印(神戸マッチ)…徳用マッチの代表的な図像ともいえる扇子と櫻。しかし、意外にも置いているお店は少ないです。日本を象徴する日の丸と、デフォルメされた桜の花が絶妙なデザインです。横尾忠則的なイメージを感じます(横尾氏は徳用マッチからインスピレーションを得た作品をたくさん残してます)。

日の丸櫻印(神戸マッチ)

 というわけで、これからも、未だ見ぬ徳用マッチを探すため、全国を練り歩いていこうと思います。また機会があればご紹介します!

(たばた ひろあき 東京・大塚生まれ)

※日本絶滅紀行からの引き続きのお願い

 みなさんの家の近くの雑貨屋さん、スーパーなどで「うきわかもめ印」「犬印」「赤玉印」「NO.1印」「ハープ燕印」「鈴猫印」「天狗印」「菊印」「虎印」「タケノコ印」「ほうれん(牛車みたいなの)印」「金貨印」「リス印」「ひょうたんこうもり印」という燐寸を見かけたことはありませんか?目撃情報などをお寄せいただければ幸いです。


2002年10月22日更新
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第8回 徳用マッチの面白さ その2
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