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似顔絵トランポリン・松岡

第十回『ジェームズ・ボンドのセックスとナニの話』


 大学に入っても相変わらず悶々とした生活を繰り返していた僕は、ある日、映画をみた後で、007ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーのナニは、太さが牛乳ビンで二十センチもあると聞かされ、絶句。仰天の外国人サイズを根限り羨ましいと思った僕にその話をしたのが、大学時代からの少し危ない親友・佐藤君である。

 あの頃、既に彼にはOLで悦チェンという脚のきれいな彼女がいて、彼は性の先駆者として、僕のセックスカウンセラーと言ったところだった。

 スーパーの特売文句ではないが、佐藤君が危ないのには理由があり、手でナニに触れる不潔感が強くて彼には一度もマスターベーションの経験がないことである。右手のケガで禁欲生活が続いた経験を持つ僕など、ソレは辛抱たまらんと思うのだが、その時はグッという独特の感じがしてわかるので、寝ていても急いで起きて男性自身の包皮を摘み一気にトイレに駆け込むすである。

 そんな変な所で潔癖性、色白で小太り、洋画好きの佐藤君に誘われ、ショーン・コネリー主演の007ジェームズ・ボンド映画に僕はよく出かけた。

 あの頃の007シリーズは常に大ヒット、カメラのシャッターで始まるシーンは特に有名である。

007

 度重なるピンチも斬新な方法で危機一髪のところを切り抜ける、新兵器もそうだが映画の中での洗練させた彼の大人のセンスとパワフルな活躍が娯楽感に溢れ魅力的で超人気。日本人でも女優の浜美枝や松岡きっこ等がなったボンドガールもシリーズの度に話題になったものだ。

 ある時、映画をみた後で入った喫茶店で、彼は大好きなレスカをクッと一口飲むといつもの腕組みをしながら屈み込み、僕に小声で言った。
 「ショーン・コネリーのナニは牛乳ビンの太さで二十センチあるらしい」

喫茶店 実は、この時、僕はまだ女性とのセックス経験もなく五本の指先まで全身童貞生活。昔あった白いギターが貰えるテレビ番組の中で、ピンカラ兄弟の宮史郎が言ったチン長キュウリくらい、立派なら別だが、焦げたタラコのような僕のソレに比べて信じられない外国人サイズに、とにかく絶句。

 既に悦チャンと週一回経験生活の彼は、羨ましいと力説する外国人サイズ話をきっかけに、セックスは007映画のシーンみたいに何かと言えば肩を引き寄せてキスだけで済むような簡単なものではなく、腰を使う場合の方向や強弱にも工夫がいることや、ベッドのシーツが汚れないように柄物のバスタオルを敷いてから事を始める手間や避妊の面倒臭さを強調しながら、いかに自分が苦労してセックスしているか僕に話すのである。

 確かに、映画の中のセックスシーンは上品で、上半身裸か衣服のまま抱き合いキスを交わしながらシーンが変わるのがほとんどである。ボンドの場合、ヒデキのギャランドゥーとも言う下腹部・陰毛から腹への延長ムダ毛はなく清潔感があり、程よい量の胸毛も見せるだけに終わり、ボンドの胸毛や乳首に女が唇を寄せるシーンも出て来ないのである。

 ボンドが上に重なり腰を使うリアルなセックスシーンなど皆無。曲も大ヒットしたゴールドフィンガーの最後でも、ボンドがキスをしながらパラシュートでスッポリ二人を隠して主題歌が流れる、といった感じでセックスシーンは終わるのである。

 洋画でよくあるセックスシーンは、例えば正常位、クシャクシャのシーツは縺れ合う裸の男女の足を隠す程度。女の開いた両脚の間に体を重ねた全裸の男の腰と尻が女性を激しく突き上げ、あのピストン運動の動きを見せるソレは激しく突き刺さるペニスを連想にはリアル過ぎる程リアル。わずかな明かり、影の部分では女は男の股間に顔を埋めユックリと陰毛の中に隆起する男を口に含む気配を見せる。男も、瞬間オゥーッと押し殺したように快感の息を漏らすのだ。僕など五十歳を過ぎても唾を飲むくらいである。

 佐藤君が言うには、あれだけ胸毛を見せてセックスシンボルのようなボンドなのに、全裸で腰と尻を揺らして激しく女性を突き上げるセックス独特のシーンがないのもみていて現実的ではないと言うのである。

 勿論、僕に、ボンドのセックスシーンは実際のセックスを感じさせない程アッサリ過ぎてどうこうが理解できるはずもなく、僕は僕で、佐藤君の週一セックス生活の方がよっぽど羨ましいと思いながら、アイスココアの残った氷を嘗めていた。

 今でも007シリーズと聞くと、ジェームズ・ボンドの、太さが牛乳ビンで二十センチあるらしいナニの話と共に危ない佐藤君を思い出す僕であるが、潔癖性どころか彼はその後悦チャンとも離婚、そして再婚。自分で潔癖症だからナニナニと言いながらもセックス堪能生活を続け、二度の結婚で六人の子沢山なのである。

 その後、主演のショーン・コネリーが少し年をとり顔つきも変わり、ボンドがダイエットをする007シリーズを僕一人でみたのだが、ボンドに尿検査を言うシーンで若い看護婦が見せる乳白色の検尿カップは、信じられない程デカくアダム&イブの乳白色の筒状花瓶くらいの大きさで、その瞬間、ショーン・コネリーのナニは牛乳びんの太さと二十セントの長さ、を僕は納得。

 少し前の電話でそれを思い出した僕が話すと、二十センチは十八セントに変わり、最近は彼もポッコリ腹でダイエット中とか。ナニもメッキリ弱くなって、週一生活なんて夢のまた夢話で盛り上がった二人である。


もっと007ジェームズ・ボンドについて知りたい方は……
ジェームズ・ボンドの美しき世界 http://www.mars.dti.ne.jp/~h-takeda/Jap1st.htm


2002年11月20日更新


第九回『二十一歳の冬、僕とフォークと喪失と。』
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第四回『青春マスターベーション』
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