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「あやかし動物園」タイトル

園長 ペリプラ葉古

その10−ケラ


土が入った水槽が置いてあります。
中には何が入ってるのでしょうか?
アリかなあ、カブトムシの幼虫かなあ…。
あ、動いた。
おや懐かしい、ケラじゃありませんか!

ケラ

ケラの鳴き声
[WAVファイル 25kb 約2秒]

*****************************

校庭の草むしりや花壇の手入れなんかをしている際に、
茶色くて細長いぶにゅぶにゅの生き物に出会ったことがあるだろう。
そう、ケラだ。
大きくて丈夫な前脚を持ち、
その前脚を平泳ぎのようにかいて土を掘り進む。
捕まえて握り締めたことはないだろうか。
土を掘るときと同様に、前脚で必死に指の間をこじ開けようとする。
それがこそばゆく気持ちよかったものだ。
この習性を利用して、つかまえたケラに
「おまえのチンチンどのくらい?」
と問うて遊んだ経験がある人もあるだろう。
あばれて前脚を広げる様に大笑いしたはずだ。
さて、このケラだが、何の仲間だか知っているだろうか?

ケラ

モグラの子ども?
確かにケラは土の中に潜っているし、
色や形なんかもどことなくモグラを思わせる。
何を隠そうモグラは人間と同じく哺乳類である。
それが証拠に人間とモグラには他の動物には見られない共通点がある。
性的接触を未経験のメスに処女膜が存在するのは、
動物界広しといえども人間とモグラだけなのだ。
ケラがモグラの子どもならばメスは処女膜を持っているはずだが、
いまのところそういう報告はない。
よって、ケラはモグラの子どもではない。

セミの幼虫?
確かにケラは足が6本ある昆虫だし、
前脚の形などはセミの幼虫とよく似ている。
セミの幼虫は昆虫離れした長命で知られている。
幼虫期間が五年、七年というのはざらで、
アメリカには十七年も幼虫で過ごすつわもののセミさえいる。
試しにケラを飼ってみるとよい。
うまく育てて数ヶ月も生きればよいほうだろう。
そんな短命なセミはいない。
よって、ケラはセミの幼虫ではない。

ケラ

他でもない、ケラはコオロギの仲間だ。
よく見ると後脚が他の脚よりも少し長めだし、
お腹のあたりのぶにゅぶにゅ感はなるほどコオロギっぽい。
コオロギといえば草むらに住んでいるのが定番だが、
ケラはなぜか土の中に住んでいる。
なぜなのか?
実はその理由はよくわかっていない。
日陰が好きなのだろう、きっと。

考えてみるに、ケラほどさげすまれた昆虫も少ない。
虫ケラという蔑称に端的に表れているように、
ケラは虫の中でも日陰者というイメージがある。
オケラといえば、身ぐるみはがれてすっからかんの状態を
いつの間にか指すようになった。
『手の平を太陽に』という童謡では、
オケラはミミズやアメンボと並んで、
「え、こいつも生きてるんじゃん!」扱いである。

だが、ケラをなめてはいけない。
ケラは空を飛ぶこともできるし、
巧みに水面を泳ぐことだってできるのだ。
ケラは他人の評価など気にせず、わが道を自由に生きている。
ケ・セラ・ケラ。

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【ケラ】
直翅目ケラ科の昆虫。体長30ミリ前後で日本全土に生息している。
生態はいまだ不明な点も多いが、オスもメスも鳴くことが知られて
いる。土の中から聞こえるジーという単調な鳴き声を、昔の人はミ
ミズの鳴き声だと信じていたらしい。


※ ケラの写真と鳴き声を提供して頂きました。
INSECT & PLANT(虫と植物) 身近な虫と植物のホームページです。
http://www.mitene.or.jp/~kakoya/


2003年2月5日更新
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その1−スピッツ


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