レトロスポットガイド「昭和チック天国」
藤田昂
大阪にもあるんやで。昭和の心意気! 〜滝見小路〜
大阪梅田にひときわ異彩を放っているビルがある。新梅田シティだ。地上40階建の梅田スカイビルとウェスティンホテルの2棟の大きなビルが屋上でつながっているのだ。
この超近代的なビルの地下に、昭和初期にタイムスリップしたような街「滝見小路」がある。大阪が最も活気に溢れていた昭和初期の下町を再現したこの街は、職人気質でがんこなこだわりを持ち続ける大阪老舗の味を融合させ、平成5年6月にオープンした。
街には、大阪庶民の味を代表するお好み焼き屋をはじめ、すきやき店、寿司屋、居酒屋、甘味処などの飲食店に加え、クリーニング店、理容店、郵便局がある。
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ここを運営している積水ハウス梅田オペレーション(株)の山口さんと吉田さん2人のかわいい女性に街を案内してもらう。「滝見小路」の看板がかかっているドアから入ると、おしゃれなオフィス空間から180度正反対の異空間に突入した感じだ。格子戸、暖簾、看板、そして天井の照明がセピア色の街を上手く演出している。両サイドに飲食店が並ぶ通路を折れ、石畳の小路に入ると正面に稲荷が現れる。ここでまず参拝を済ませ、全員で記念撮影。近くにある井戸にて同行のO氏が、ポンプ噴出口にタオルをつける理由を得意満面に2人の女性に詳しく(正しくはしつこく)解説。小路を抜けると、無人の滝見交番と番犬(?)ビクターニッパー君が現れる。向かいにダイハツミゼットが路駐しているが、取り締まる気はさらさらないようだ。
昭和初期のレトロな大衆居酒屋をイメージした明治屋の向かいに、新梅田シティ内郵便局がある。入口にお馴染みの赤い円筒ポストがあるが、これはお飾りではなく正真正銘のポストだとか。中に入るとカウンターから照明、そしてキャッシュカードコーナーまでレトロな雰囲気を演出している。
他にも理容・美髪館や西洋洗濯屋など、立ち寄りたくなるようなおもしろそうなお店があるが、共通して言えるのはどこも外観・内観とも昔の風情そのままで、微に入り細に入り企画者・設計者のこだわりを感じる。
ビルの外に出ると、滝とせせらぎに囲まれた人工の森「中自然の森」がある。ここには、山桜・花菖蒲、彼岸花、さざんかなどが植えられており、四季折々の花が楽しめる。昨年、難しいといわれるホタルの飼育に成功した。都心でホタル鑑賞とは、なんとも粋な趣向。
大阪駅・梅田駅から近く、出張帰りにちょっとのぞいて見るのも手。ひょっとしたら昔の自分、本当の自分に出会えるかも。
8月24日(土)には、3Fのステラホールでちょっぴり懐かしいおもちゃ・時計・生活骨董を集めた「ノスタルジックマーケット」を開催予定。
◇所在地 :大阪市北区大淀中1−1−88 梅田シティB1
◇営業時間:各店舗によって異なる。目安として10:00〜22:00
◇アクセス:JR大阪駅、阪急梅田駅、地下鉄梅田駅 いずれも徒歩約9分
2002年7月26日更新
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