近代建築の最近のブログ記事

奥久慈の男体山にハイキングに行った。帰りに水戸で途中下車して、ふと偕楽園に行くことを思い立った。これまで日本三景は制覇しているので、今度は日本三大名園でも見てみようと思ったのだ。
偕楽園には梅の季節には臨時停車駅ができるようだが、ワタクシが訪ねたお盆には観光客も期待できないのか、歩くかバスしかない。駅前の案内板をみると、ちょうど、駅前のメインストリート銀杏坂を登って、大工町で左に折れれば偕楽園に行けることがわかったので、「レトロ散歩」と決め込むことにした。
水戸駅前は大宮駅前と似ていて非常に広い。しかしお盆休みの続きだったのか、人通りは少なく、善光寺を置く長野駅前よりさびれている感じだ。シャッターがしまったままの店もあり、商店街自体も力が感じられない。しかし、国道50号線に沿ったメインストリートの距離が長いので、それなりに繁華ではあるようだ。
津田沼や船橋など、駅が先にあって、あとからベッドタウン化して人口が増えたところは駅ビルを中心に駅前すぐに大規模店舗があることが多いのだが、水戸は千葉のように、駅から離れたところに大規模店舗のダイエーや田原屋、京成百貨店、伊勢甚がある。銀杏坂が左にカーブしているせいもあるが、とにかく駅からの視界にはデパートは入らない。千葉の場合はもともとの千葉駅や京成千葉駅が現在あるところと違うところにあったので、そこを中心に繁華街が形成された。水戸はどうだろう。泉町から大工町にかけてが商業の中心のように見える。すでにそこに呉服屋などによって形成されていた繁華街があり、そこと駅建設地が微妙にずれたのではなかろうか。

マルショウパーラー●実は、白状すると水戸駅前商店街をレトロ散歩できると決め打ちしてやってきたのではないのであった。このマルショウパーラーを見つけてから、動機がでてきたのである。フルーツパーラーはいまは少なくなってきているレトロ物件だが、純喫茶とともに、スタバやドドールの攻勢に負けずに頑張って欲しいのである。
新宿のタカノや渋谷の西村、銀座千疋屋は有名だがチト高くていかん。メニューは洒落ているけど値段は庶民的。客層もマダムというより主婦が気軽に行けるような雰囲気がいい。マルショウパーラーは値段も安く、喫茶店ではたべられないようなフルーツのバラエティーメニューがあるので気に入った。なによりも「ランチ・サービス・メニュー」という品がとても面白いのだ。ココを通りかかったときはまだ時間も早く、お腹がすいていなかったので、偕楽園の帰りにまた立ち寄ることにした。

異常に安い花屋●パーラーの隣にあるこの花屋さんは、異常に価格が安いのである。鉢植えの胡蝶蘭500円、ハイビスカス300円。他に、長靴のような小ポットに入った苗は38円とか48円である。名前を出すと差し支えがあるかも知れないので伏せておくが、とにかく生まれて初めてこんなに安い花屋さんを見ました。

納豆厚生年金●企業年金制度が崩壊しつつある昨今ですな。企業年金がどういうものかよくわからんのですが、政府管掌健保に対する出版健保のような関係ですかね。
全国の納豆業者は納豆厚生年金というものに入れるんですね。納豆で有名な水戸で見つけたのでカンゲキもひとしお。それが琴線に触れたので写真をパチリ。
ンー昔は納豆売りの少年が、朝早くから藁苞入りのを売りに来たものでした。カラシもつけていましたが、「タレ」なんつーものは付いていなかったころでした。嘘だよ、いくらワタクシでも納豆売りの少年は知りません。入院しているとき、おかゆなのに納豆が出てきたときは困りました。

マルセキ●レトロな商店街を散歩していると、だいたい、洋品屋や毛糸屋の時間が止まっている。同じ時期に商売を始めて、これまでの間に改装したり、ビルを建てたりする業種があるのだけれど、洋品屋はあまり儲からないのか、そのようなパターンがあんまり見受けられない。
おかげで昭和30年代の、おモダンなデザインの看板や、デラックスであか抜けないコピーをみることができる。
スーパーや大型衣料品屋の台頭で、町の洋品屋で買うこともなくなった。洗剤や薬の類いであれば例え定価であろうとも必要であれば購入してしまうだろうが、ことファッションとなると、流行遅れのセンスにはお金がだせない。店主のセンスが時代についていけなくなったとき、在庫が増え、売り上げが下がり、悪循環に陥ってしまう。12年くらい一回転してから誰かがデッドストックを「新鮮だ。カワイイ」と救ってくれない限り店の淀みは払拭されない。そしてなにより、セルフサービスになれた消費者は、一歩店内に入るや、ストーカーのようにつきまとう店員がいる店は敬遠してしまうのだ。
知ったかぶりのストーカー店員と、指にツバ付けてお札を数えるレジ係の存在が、個人商店が停滞している原因なのである。たぶん。

(続く)

   
前の3件<… 1  2
...トップページへ

Author


    串間 努 -Tsutomu Kushima-
    昭和B級文化を記録したミニコミ雑誌『日曜研究家』が話題となり、執筆活動等マルチに活躍する昭和レトロ文化研究の第一人者。 現在もミニコミ誌『旅と趣味』『昭和レトロ学研究』を発行、精力的な大衆文化の記録・収集を続けている。

    旧サイト連載:
    日曜研究家チャンネル
    レトロおじ散歩
    涙と怒りの「まぼろし通販百科」
Powered by Movable Type 5.03

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち近代建築カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは観光地です。

次のカテゴリは長野県です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。