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「怪獣」タイトル

鴻池綱孝

〈第二十夜〉 『ジャミラ、クライ!』


 今夜は東京都在住のオカベハヤトさん(37歳)からの投稿をご紹介いたします。

ジャミラ
ジャミラ;ブルマァク製のジャミラ。口下にある、スーツアクター用の、のぞき穴までもでが再現されてしまった。こういう大人の事情みたいの発見すると、子供って天下取ったように吼えるよね

  「ビンボーさんと怪獣たち」(投稿文)
 記憶が定かではないのですが。ウルトラマンタロウかレオあたりだと思うのですが、孤児の兄妹がそれぞれウルトラ兄弟の名前で呼び合って、貧しくもたくましく生きていく設定の話があったと思います。そこへ怪獣がやってきて停電断水、今こそ兄妹の結束が問われる・・・みたいな話。当時僕の家もフツーにビンボーで、妹が「お兄ちゃん、何だかこの話、ウチみたいだね」と言ったのをはっきりと憶えております。
 今思えば、あの頃の世間はビンボーがフツーでした。漫画やアニメにおいても、孤児がうんと貧しく、しかし心はとびっきり美しく生きていく、というのがよくありましたよね(みなしご、って死語かも)。今は誰しもまあまあの生活が出来ています。望めば世界中の食べ物が手に入るし、逆にドロップアウトも選べるくらいの豊かな時代です。
 少し前のこと。何かのバラエティー番組で、昭和のヒーローを特集したものがありました。その中にはウルトラマンシリーズもあり、“ジャミラ”のストーリーを映像とともに紹介していました。ああ、しかし! ある若い女性タレントは始終笑いっぱなし。「何で水掛けられてるの〜!」「よわ〜い!」一方僕はいうと、全く忘れていたその映像、ストーリー設定に不意打ちをくらって不覚にも泣いちまいました。今更ここであのストーリーを紹介する愚行はいたしませんが、ジャミラの生い立ちやら事情が分かったのちに、何故ウルトラマンはジャミラを殺さなければならなかったのか、ガラス玉をはめ込んだような目玉で、ジャミラは死ぬ間際何を見たのか、なんて考えさせられることがいっぱい詰まったいい話でした。しかしあの時代を生きていなかった若い世代にはチープな作りや時代がかった台詞が陳腐なものにしか見えないのでしょうか。
 あのビンボーな時代を思い出すと、それこそお金がないためにいろいろと辛い目にあいましたが、それでもあの経験をしてきてよかったな、と思います。この怪獣千一夜を読んでいると、自分でも驚くほどいろんな怪獣が思い出され、そいつらは怪獣の格好をしてはいても中身はやっぱり人間なのです。彼らのおかしさや悲哀はあの時代の人間を生き生きと想起させてくれます。“昔は良かった”なぞと言いませんが、本当に心の豊かな時代でした。

 東京都 37歳 オカベハヤト ライター

ジャミラの形態模写
ジャミラの形態模写;本文中でわからなかった人へ形態模写の大定番、ジャミラ。ジャミラ顔には自信が無かったので、黒目線アリ。ジミー大西なんかが近い顔だな

 オカベさんの涙の理由、『ジャミラ』の登場回「故郷は地球」のあらすじを書くと、「ある国の打ち上げた人間衛星が宇宙に漂流してしまったが、非難を恐れたその国はその事実を闇に葬ってしまった。その衛星のパイロットの名はジャミラ。彼は漂流した星(水が無い!)の環境で姿が激変し、何十年もかけて全人類に対する復讐のために地球に戻ってきた。」と、いうもの。
 つまりジャミラは元人間、つーか、やっぱ人間なのだ。環境上の理由で水に弱い=史上最弱。Tシャツなんかをあたまに引っ掛けて、ジャミラの形態模写=笑い。と、いった図式になるのも解るが、実際、内容は少しヘヴィー。断末魔の鳴き声も、もう、むしろ泣き声になっていたcryだ。
 近年、イギリスのミュージシャン『ジャミロクワイ』の登場により、『ジャミラ』は、やはり実在する名か!と思わせたが、ジャミロクワイとは、ネイティブアメリカン、『イロクアイ族』に由来しているそうだ。
                                    つづく‥

ジャミラの内臓
ジャミラの内臓;環境の激変により胃に穴があく人はいるが、体形までもこんなに変わってしまうとは‥

2004年4月5日更新
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〈第十九夜〉 「聖者が町にやってくる」
〈第十八夜〉 「キャプテンウルトラ」
〈第十七夜〉 「ウルトラマンが逝く」
〈第十六夜〉 「ゴメス とポリバケツ、怪獣と母」〈投稿文)
〈第十五夜〉 「怪獣のネーミング」(Part1)
〈第十四夜〉 エビラの勝ち目なき戦い(投稿文)
〈第十三夜〉 運命の塔
〈第十二夜〉 わたしのモゲラ様(投稿文)
〈第十一夜〉 怪塔、現る(part2)
〈第十夜〉 怪塔、現る(part1)
〈第九夜〉 すべての怪獣ブーマーへ告ぐ!
〈第八夜〉 大魔神の学習
〈第七夜〉 「レッドキングでダダ」
〈第六夜〉 マルサン商店『エビラ』『アントラー』『ガボラ』登場
〈第五夜〉 セメント怪獣
〈第四夜〉 マルサン商店『ウルトラマン』登場
〈第三夜〉 マルサン商店『ゴジラ』登場
〈第二夜〉 『マイ・ファースト・ウルトラマン』
〈第一夜〉 増田屋「ウルトラQ手踊り」『ペギラ』『ゴメス』登場


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