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「ら〜めん路漫避行」タイトル

第19回 成田を駈ける肉を見た
〜湯当り自販機バーガー旅
刈部山本

グーテンバーガーをご存知だろうか? 幹線道路沿いの自販機ばかりがならぶドライブイン(オートスナックなどと呼ばれた)やゲームセンター・プール・球技場といった娯楽施設の自販機コーナー、サービスエリアなどにカップヌードルの自販機と並んで設けられていたハンバーガーがそれ。マルシンハンバーグの系列会社マルシンマックが販売していたが02年に業務撤退。モータリゼーション華やかなりし時代の産物といっていいだろう。自販機ハンバーガー自体を製造しているメーカーは存在し、現在は東京郊外の自販機ドライブインなどで極々一部が稼動しているのみとなっている。
自販機の中にレンジが内蔵されている形で、コインを入れてボタンを押すと、加熱ランプが点灯、約60秒でホカホカの箱がゴツッとおっこってくる仕組み。味的には非常にショッボイし、小さいしでいいことないのだが、どこか郷愁を誘うとともに無性に食いたくなる駄菓子的旨みに満ち溢れていた。そのB級っぷりから愛好者は多く、稼動情報がネット上で交換されるなどしている。その中に、比較的行ける範囲に現存している場所があったので、休暇を使って乗り込んできた。

成田の先、1時間に2本の電車に乗って潮来方面へ2駅。無人駅ではないものの風情ある滑河駅に着いた。いくつか商店の残る駅前を過ぎれば・・・

食堂@駅前商店 たばこコーナー@駅前商店

下半分田んぼの緑、上半分空の青。

滑河県道

その先に・・・おおっ、こんなところにって程に小さなドライブインが!
シオヤ

オートパラーシオヤ
24時間営業
年中無休
千葉県成田市猿山935-1

シオヤ内観

自販機が10台程度。多くは故障中で、稼動しているのは普通のジュースのものが2〜3台。他はうどんそばとカップヌードル。うどんそばは環七のオートスナックでよく食べたわ〜 懐かしいわ〜

うどんそばとカップヌードル

それはともかく、ハンバーガー。みると、ハンバーガーというパッケージにチーズバーガーってコピッた紙が張ってある。

バーガー自販機

ここはチーズでしょ・・・ボタンをポチッと押すと取り出し口上部の加熱ランプが点滅。約60秒後、ゴツッとブツが落ちてきた。

バーガー

おおっ、ついにご対面! 販売者はここオートパーラーシオヤになっている。自家製!? ガブリとかぶりついたらいきなりレンジ加熱で硬くなってるところが見事に当たった。昔はもっと水っぽくなっちゃって、バンズもシワシワだった気がするが食べ進むと思ったより旨い。これは想定外だったが、「駄」な雰囲気は健在。思い入れあるならここまで来る価値はあるでしょ!

ここから再び成田へとんぼ返りし、成田線の我孫子方面へ1つめ、下総松崎駅で下車。ちなみにこの駅名、なんて読むのか…なんて漢字からは疑いもしないと思うが、車内アナウンスを聞いて我が耳を疑った。「しもうさ・まんざき」って、なんで「つ」が「ん」になるのだろう? この界隈は難読地名が多く、これもまた旅の醍醐味でもある。

下総松崎風景

温泉、大和の湯までは駅から1.5kmほどあり、県道には歩くスペースが殆どない。そもそも歩いている人間がいない。チバらしく田んぼの合間に廃車のスクラップが積みあがる空き地が挟まれる風景が続く。

廃車 レンガ橋脚

田んぼの用水を跨ぐように、レンガ造の橋脚がみえた先に、温泉施設大和の湯が見えた。
大和の湯

大和の湯
10:00〜22:00
定休;無休
千葉県成田市大竹1630
公式サイトあり
※時間等変更の場合があります

施設は実に立派。中も非常に近代的で男湯は3F建て(ちなみにこの日の女湯は離れ)。3Fにサウナ諸々、2Fはジャグジーと壷湯、1Fは温泉で内湯と露天。
温泉は意外や意外、黒湯でクセは少ないが濃厚。都区内近郊でもここまで濃い黒湯は珍しいと思うのに、千葉でこんな湯が楽しめるとは思ってもみなかった。さらに湯船の設計がよく、首が置きやすい。屋外に寝転がれるソファーが充実してて長居できる。
たまに近隣の田んぼからカエルちゃんがやってくるのは帰るが苦手な方には酷な環境だろうが(ある親子の会話によると、女湯の離れにはかなり出没するとのこと)、温泉で寛ぐことに非常に特化しており、実に充実した時が過ごせた。

駅に帰るころには辺りはすっかり真っ暗で、下総松崎駅は既に無人駅と化していた。入札証明書を自販機で発券し、成田駅で処理。風呂でさっぱりした後は当然!というわけで、その足でラーメン店へ。
麺屋青山

麺屋 青山
11:00〜23:00
定休;無休
千葉県富里市日吉台2-19-11
※時間等変更の場合があります

魚介と動物ダシのWスープ系の店だぞって感じの木目調の外観。L字型のカウンターとテーブル席が結構あって、子供用の椅子も充実している。この辺も千葉の店っぽい。カップルや家族連れが地元密着している。 茨城大勝軒という千葉界隈で展開するグループのある1店舗から独立した店で、つけめんの元祖である山岸大勝軒から派生したグループとあってつけめんがウリ。大勝軒は量の多さでも知られているが、茨城大勝軒系は少なめで、ここもつけめん(こってり)¥680は麺が少なめ。麺自体はボッツリとしていて粘りもある。相当クセがあると思うが、周りの客はみんな旨い旨いと食べている。

つけめん@青山

つけ汁はドロドロ。魚粉の粉っぽさもあって飲みづらいのだが、麺に絡んでくるので、麺がパワフルでも負けていない。具のチャーシューも柔らかく出来ている。 スープ割りはその印象変わらず、最後まで楽しめた。客層が物語っているように、近所にあったら間違いなくリピートしそうだ。

自販機バーガーといい温泉といいラーメンといい、非常に満足度の高いものが当たり前のそぶりで日常に埋没しちゃってる感じが、これぞディープってな具合で、まさにチバを体当たりで味わえた1日だった。



刈部山本

刈部山本(かりべ・やまもと)とは・・・
ラーメンなどのB級グルメを主食とし赤線跡・軍事遺跡・レトロ建築等を巡る路地裏徘徊人。
東京の下町、谷根千の路地裏に潜む古本喫茶を自営。レトロ少女マンガ・サブカル・町歩き等の古本・ミニコミが揃う空間で最高品質の珈琲と自家製ケーキを持て成す。
ふるほん結構人ミルクホールHP http://kekkojin.heya.jp/




2008年 10月 22日更新
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