東京湾の三番瀬を臨む千葉県船橋市について皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか？成田山詣りの宿場町、古くからの漁師町、東京のベッドタウン…。そんな船橋の昭和３０年代の姿と現在の姿を同じ地点から捉えた写真集『船橋の定点撮影』が刊行された。

著者は、手塚博禮氏。戦前から教職一筋。専門は地理で千葉地理学会の会長を務めたこともある。趣味はカメラ。昭和２６年以降、日々の暮らしや町並み、学校行事などを丹念に記録し、現存する写真は３０万枚に上る。８７才になる今も、２日に１度の割でＤＰＥの為写真店に通い続けているという。

手塚博禮氏

記録に活躍したカメラ達 アルバムの第1号

アルバムの詰まった本箱

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　手塚氏が本を出すきっかけになった一組の写真がある。田圃の中の一軒家。後年たまたま同じ位置で撮った写真には、一面の家、家、家。この対照的な写真を種々の会合で人々に見せたところ、大いに好評を得た。そこで、自宅のある千葉市花見川区花園近辺の写真を選び、写真集『花園の定点撮影』（平成１３年刊。完売済み）をまず発刊した。

　写真集の７割は船橋の本町を中心とする地域の写真で、宿場町の面影をのこす昭和３０年代の街並みが郷愁を誘う。街行く人の服装や表情、行き交うオート三輪、映画看板、漁港を埋め尽くす木造船などから当時の地方都市の息づかいが伝わってくる。残りは郊外の写真であるが、当時のモンペ姿の女性、ベッドタウンになる前の原野、泥だらけの街道筋と現在の対比が実に面白い。

　価格は、１冊１１４３円（税別）と良心的。「１人でも多くの方に読んでもらいたいので…」と、手塚氏。お問い合わせは下記書店まで。

宮下館通り（宮本1丁目）

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JR船橋駅南口周辺

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2003年２月６日更新

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