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アカデミア青木

再開発カウントダウンの中で・・・
〜日暮里菓子玩具問屋街〜


日暮里駄菓子商店街 日暮里駅東口のロータリーそばに木造長屋建ての一角がある。通称「日暮里駄菓子商店街」、正式名「日暮里菓子玩具問屋街」である。現在、組合員9軒中駄菓子を扱う店は8軒。連日、若者や親子連れなどで賑わっている。
 日暮里に駄菓子問屋が集まるようになったのは終戦直後のことで、山手線、常磐線、京成線が集まる交通の要衝であったことや、地元に多くの菓子製造業者を抱えていたことがその理由として考えられている。当時砂糖は統制品のため入手が難しく、人々は甘味に飢えていた。そこで、代用品や闇物資を使って自宅の一室で駄菓子を製造する者が相次いだ。駄菓子の中では特に飴が好まれ、この飴を中心に菓子を取り扱う問屋が都内の3ヶ所に集まった。日暮里駄菓子商店街
そのうち一番栄えたのは上野で、300軒程の店があった。現在の「アメ横」はその名残である。次が日暮里で約100軒、そして錦糸町が30軒。日暮里駅周辺は昭和26年に区画整理され、27年に現在の建物に問屋が入居した。当時の駄菓子屋は勤め人の奥さんが副業でやるケースが多く、奥さん達は夫が起き出す前に駄菓子問屋へ仕入れに出掛け、帰宅後夫の朝の支度を行った。当時、朝4時半になると問屋の店先で奥さん達の下駄の音がしていたという。

問屋街に足を運ぶ駄菓子店が少なくなった理由(わけ)

さかり商店 しかしながら、27年に砂糖の統制が解除されると大手メーカーは競って菓子を増産し始め、そのあおりを喰って駄菓子の需要は徐々に減少していった。とはいっても、昭和30年から50年にかけての販売状況はそれなりに良かった。ところが、近頃駄菓子店をとりまく環境が急速に悪化している。まずは「少子化」。駄菓子の顧客である子供の数が減ってきており、店の売上げもそれにつられて減少している。次に「利幅の減少」。顧客が子供ということもあって駄菓子の値上げはなかなか難しく、増加している経費を吸収できなくなっている。日暮里駄菓子商店街そして「消費税の導入」。1個10円の菓子に3%、5%の消費税を上乗せしようにも、税額が1円未満のため「10円」で売らざるを得ない。このため、ここへの新規参入は極めて少なく、後継者不足も手伝って、昔ながらの駄菓子店はその数を減らしている。現在日暮里の問屋を 訪れる商売人がかなり少なくなった理由はそこにある。

問屋街のルール

ビーズ それに代わり、レトロな雰囲気を楽しみながら買い物をしていく「一般客」が増えている。ただ、その中には困った人もいる。真夜中に問い合わせの電話をかけてくる。商品を10分位いじり廻して購入したものの、あとで返品したいと申し出る。子供会の行事なのか、大量の菓子のセットを「翌日納入」してくれ」と持ちかける。「現金」ではなく銀行振込などで品物を購入しようとする。バラ売りできない商品(中には可能なものもある)をバラ売りするようせがむ。ここを訪れる際には、ここは「駄菓子屋」の街ではなく、「問屋」の街であることを忘れないでほしい。ちょっと苦言を呈したが、店の方々は至って親切だ。訪れた方は、街の雰囲気と共に人情の機微も楽しんでほしい。ビーズ
 ただ、この街は「ひぐらしの里」という駅前再開発事業のため、あと数年で消える運命にある。建物が取り壊された後には、40階を超える高層ビルが建つという。具体的なスケジュールはまだ決まっていないが、後悔しないよう早めに訪れることをお勧めする。

さかり商店【さかり商店】
 日暮里菓子玩具問屋組合 酒井利明理事長のお店。名字と名前のそれぞれ一字を取って店名を「さかり」という。酒井氏は現在77歳。戦後錦糸町で棒飴や「だるま飴」、粉のラムネ等を製造していたが、砂糖の自由化を機に製造から販売へと転身、昭和29年に現在の場所に店を構えた。駄菓子セット若い頃から柔道に親しんだおかげで、いたって健康。店の仕事の他に問屋組合、再開発準備組合の仕事、押し掛けるマスコミへの対応と多忙な日々を送っている。
 このお店の売れ筋ベスト3は、1位「うまい棒」(やおきん)2位「餅太郎」(菓道)3位「駄菓子の詰め合わせセット」である。特に3位の「セット」はこれからの行楽シーズンにうってつけの一品である。


丸芳商店【丸芳商店】
 浅香もとさんが切り盛りするお店。店名はご主人の名前の一字「芳」に「丸」を加えて付けられた。兄弟が経営する同業の店を手伝っていたご主人が独立して、昭和27年に現在の場所に店を構えた。昔は、朝早くから店を開けていたので大変だったとの事。現在の売れ筋は「コマ」、「カード」類。女の子向けの商品が比較的多いのが特徴。

所在地 東京都荒川区西日暮里2−24
営業時間(各店共通) 8:00〜17:00(毎週月曜、第3火曜は休み)
アクセス JR・京成「日暮里」駅東口より徒歩約2分
【さかり商店】 西日暮里2−24−9 電話03−3807−1478
【丸芳商店】 西日暮里2−24−9 電話03−3807−4766
※電話による問い合わせは営業時間内にお願いします。

レイアウト地図

1 丸芳商店 2 さかり商店 3 ナカヤ商店 4 大屋商店
5 村山商店 6 こだま商会 7 あさひや商店 8 関原商店


2002年9月3日更新
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