イラスト・もりたあゆむ
レ ト ロ ス ポ ッ ト ガ イ ド 「 ま ぼ ろ し 酒 場 」
城下町、高岡の十魚八
友人と、富山県高岡市へ一泊旅行をした。俺はもう7〜8回行っているのだが、友人が日本海を見たことがないと言うので付き合うことにした。それに「まぼろし酒場」の連載も滞っていたので、一石二鳥だ。
越後湯沢駅より乗車した”はくたか号”は、ほくほく線で強風のため徐行運転、高岡着は30分程遅れる。北日本は大荒れの天候で、冬の日本海は鈍色の波が、大きくうねり見る者の胸を打つ。
ホテルにチェックインした後に、二人で市内をぶらつく。お楽しみは夜である。高岡では必ずこの店に寄る。地元の人も足繁く通う十魚八である。しかし久々の高岡訪問であったので店に行くのに手間取ってしまった。うっかり店を通り越してしまった。二人でおしゃべりしている内に大分先へ行ってしまった。特定郵便局の女性職員に聞いたりしたが判らず。途方に暮れかけたが、別の商店主に聞き慌てて道を戻る。
魚のすり味揚げや、湯豆腐(ポン酢ではなくスープに味がある)も旨いが、何と言っても地の魚の刺盛りは絶品であった。どれも天然物だけであり、新鮮さは説明の必要はない位だ。ブリ、タコ、マグロ、平目、カツオは申し分なく歯ごたえは堪まらない。口ごたえは良くないが、地魚のオンパレードの歯ごたえは何百回も味わいたい。
スッキリした地酒「若鶴」の燗酒もくせがなく、ツィーっとのどを通って行く。二人で麦焼酎の水割りを2杯に、大徳利を4本やっつけると流石に極楽気分である。
同行の友人も俺もそうだが、タバコが苦手なので喫煙者の客がいると辛いものがある。折角の旨い酒と、料理が台無しになる。十魚八だけではないが(連載した店も全部)1日も早く飲食店は禁煙か、分煙化にして欲しい。そんなことを考えながら勘定を払い、北陸の夜道を歩きながら、定宿のホテルへ戻った。
文:坂口団吾
2007年5月24日更新
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