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「ぶらり歌碑巡り」タイトル

アカデミア青木

http://www.maboroshi-ch.com/hoso/item-43.html
ラジオ版・ああ我が心の童謡〜唱歌編
http://www.maboroshi-ch.com/hoso/item-50.html
ラジオ版・ああ我が心の童謡〜童謡編
まぼろし放送にてアカデミア青木氏を迎えて放送中!

碑

第43回 『お山のお猿』

 日溜まりの公園で、暮れなずむ街角で、夜のしじまの中で、ひとり「童謡」を口ずさむ時、幼き日々が鮮やかによみがえる…。この番組では、皆様にとって懐かしい童謡の歌碑を巡ってまいります。今回は、『お山のお猿』です。
 『さるかに合戦』や『桃太郎』のお話でお馴染みのお猿さん。その猿が出てくる童謡といえば、『お猿のかごや』(山上武夫作詞、海沼実作曲)と『お山のお猿』あたりが双璧なのではないでしょうか。この『お山のお猿』を作詞したのは鹿島鳴秋、作曲したのは弘田龍太郎。『浜千鳥』と同じコンビです。



『お山のお猿』(大正8年に作曲。歌詞は与田準一編『日本童謡集』岩波文庫 収録のもの)
 作詞 鹿島鳴秋(かしまめいしゅう、1891−1954)
 作曲 弘田龍太郎(ひろたりゅうたろう、1892−1952)

 

碑

 

 お山のお猿は
 鞠がすき、
 とんとん鞠つきゃ
 踊りだす、
 ほんにお猿は
 どうけもの。

 あかい衣(べべ)きて
 傘さして、
 おしゃれ猿さん
 鞠つけば、
 お山の月が
 笑うだろ。

 

 山にいる猿がユーモラスに描かれていて、この歌を歌うとほのぼのとした気持ちになってきます。当時は、山仕事や狩猟を通じて、猿が住む場所と人が住む場所の間に十分な距離が保たれ、相互不可侵的な状況が生まれていました。猿と人との間が平和だったからこそ、このような詞が生まれたのでしょう。近年各地で山が荒廃し、山から猿の群が降りてきて農作物に深刻な被害を与えていますが、そういった状態ではこのような歌は作れません。
 さて、こちらの歌碑ですが、作曲者・弘田龍太郎の故郷である高知県安芸市の浄貞寺に建てられています。弘田は明治25年に安芸郡土居村(現、安芸市土居)に生まれ、父親の転任に伴い3才で高知を離れましたが、安芸市では近年「童謡の里づくり」を標榜し、市内の名所旧跡に弘田の手掛けた童謡の碑を続々建設しています。そこで、これらの内のいくつかを、今後数回に渡って紹介していくことにします。

浄貞寺

浄貞寺

 ちなみに安芸市はプロ野球・阪神タイガースのキャンプ地としても有名ですが、浄貞寺は市営球場からも近いので、キャンプ見学のついでに立ち寄るのもよいでしょう。

[参考文献

与田準一編『日本童謡集』岩波文庫 平成元年(36刷)]

場所:高知県安芸市西浜浄貞寺
交通:土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線球場前駅より徒歩20分

ごめん・なはり線のタイガース列車

ごめん・なはり線のタイガース列車


2006年3月23日更新
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[ああ我が心の童謡〜ぶらり歌碑巡り]
第42回 『俵はごろごろ』
第41回 『兎のダンス』
第40回 『青い眼の人形』
第39回 『シヤボン玉』
第38回 『雨降りお月さん』
第37回 『かごめかごめ』
第36回 『蜀黍畑』
第35回 『あの町この町』
第34回 『黄金虫』
第33回 『四丁目の犬』
第32回 『七つの子』
第31回 『背くらべ』
第30回 『浜千鳥』
第29回 『通りゃんせ』
第28回 『宵待草』
第27回 『案山子』
第26回 『仲よし小道』
第25回 『七里ヶ浜の哀歌』
第24回 『城ヶ島の雨』
第23回 『どんぐりころころ』
第22回 『十五夜お月さん』
第21回 『浜辺の歌』
第20回 『叱られて』
第19回 『故郷』
第18回 『砂山』
第17回 『兎と亀』
第16回 『みどりのそよ風』
第15回 『朧月夜』
第14回 『早春賦』
第13回 『春よ来い』
第12回 『鉄道唱歌』(東海道編)
第11回 『赤い靴』
第10回 『靴が鳴る』
第9回 『紅葉』
第8回 『證城寺の狸囃子』
第7回 『かもめの水兵さん』
第6回 『箱根八里』
第5回 『赤い鳥小鳥』
第4回 『金太郎』
第3回 『荒城の月』
第2回 『春の小川』
第1回 童謡が消えていく
[ああわが心の東京修学旅行]
最終回 霞が関から新宿駅まで 〜霞が関から山の手をめぐって〜
第8回 大手町から桜田門まで 〜都心地域と首都東京〜
第7回 羽田から芝公園まで 〜城南工業地域と武蔵野台地を訪ねて〜
第6回 銀座から品川まで 〜都心地域と都市交通を訪ねて〜
第5回 日本橋から築地まで 〜下町商業地域並びに臨海地域を訪ねて〜
第4回 上野駅から両国橋まで 〜下町商業地域を訪ねて〜
第3回 神保町から上野公園まで 〜文教地域を訪ねて〜
第2回 新宿駅から九段まで 〜山手の住宅地域と商業地域を訪ねて〜
第1回 データで見る昭和35年


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