「まぼろしチャンネル」の扉へ
「番組表」へ 「復刻ch」へ 「教育的ch」へ 「東京カリスマch」へ 「日曜研究家ch」へ 「あった、あったch」へ 「再放送」へ 「ネット局」へ
まぼろしチャンネル ニュース
レトロおじ散歩
レトロスポットガイド「昭和チック天国」
レトロスポットガイド「まぼろし酒場」
秘宝館
掲示板
マガジン登録
メール
まぼろし商店街
まぼろし洋品店

レトロスポットガイド「昭和チック天国」

アカデミア青木

海とともに暮らしてきた町
〜浦安市郷土博物館 浦安のまち〜

浦安市郷土博物館


 千葉県浦安市に昨年春「浦安市郷土博物館」がオープンした。ここには、昭和27年当時の漁師町を再現した「浦安のまち」がある。今日では、東京のベッドタウンの町、東京ディズニーリゾートがある町として知られている浦安市にも、漁師町として活気のあった時代があった。戦災やキティ台風など相次ぐ大災害に見舞われながらも力強く復興を成し遂げた昭和27年がそれである。人口急増都市ゆえ、そんな時代を知らない住民が少なくなく、今後の街づくりのために市民に認識してもらうことが必要とのことでここをオープンした。

船宿「江戸川」 たばこ屋

 木の橋を渡って「浦安のまち」へと入る。「船宿・江戸川」は江戸川沿いの船宿を再現した建物。店先にはハゼ釣り用の竿が束になって置いてある。ここは、浦安のまちの生き字引、博物館ボランティア「もやいの会」メンバーの待機場所。浦安について知りたいことがあれば、まずここで聞くのが良い。
 右手には「たばこ屋」(大正15年の建物を移築)。店頭のケースは実際に使っていたもので、中には昭和27年当時のたばこが置いてある。また、奥には木製の冷蔵庫がある。実はこの店の本業はうなぎ屋で、おばあさんが副業にたばこ屋をやっていたのだ。2階の子供部屋には当時の少年雑誌が置かれている。

魚屋の店頭 豆腐屋

貝の道 船宿とたばこ屋の間の道を奥へと進む。道には砕いた貝殻と砂利が敷き詰められている。貝殻の廃物利用であるが、大きな足音がするので夜間の防犯にも役立った。
 その先の左手には「魚屋」(明治38年の建物を移築)がある。1階にはカレイの他に鮭の切り身や練り物が並ぶ。鮭は浦安では捕れないのに、なぜここに?それはこの店が築地に水産物を買い出しに行き、行商人に卸売りをしていたからである。この店の裏手には「水がめ小屋」がある。江戸川の三角州から発達した浦安では井戸水の水質が悪く、水道が引かれるまでは飲料水は江戸川の上流からやってくる「水屋(水売り)」から買っていた。

 右手には「豆腐屋」がある。これは市内の豆腐屋の外観を忠実に再現した建物で、中では昔遊びの玩具の貸し出しや端末による情報提供が行われている。
 魚屋の先は幕末に建てられた「三軒長屋」。市内の長屋を移築したものだが、全国的に見ても珍しい。ここの一室には駄菓子屋があり、実際に駄菓子を買える。この斜向いに風呂屋があるが、「浦安では銭湯のそばに駄菓子屋があることが多い」のだそうだ。

天ぷら屋 漁師の家

 駄菓子屋の先は「天ぷら屋」。作家山本周五郎が通った「天鉄」という店がモデルになっている。ここは休憩所であるが、店内には周五郎と彼が浦安をモデルに書いた小説『青べか物語』についての展示がある。店のテーブルの上には、おしながきに見せかけた「青べかよもやまばなし」が置いてあり、『青べか』の裏話がこっそりと紹介されている。
 三軒長屋の裏手には共同便所と共同水道がある。この便所は市内の長屋で実際に使われたものを移築したもの。その作業はさぞや大変だったろう。
 その先、船宿に並ぶようなかたちで「漁師の家」(明治後期の建物を移築)がある。隣には海苔の製造場があり、冬には「海苔すき」の体験教室も開かれる。

焼き玉エンジン 駄菓子屋

 漁師の家の向かいには「焼玉エンジン」の小屋がある。このエンジン、江戸川の川底にあったものを30年ぶりに引き揚げ、修復したもの。ボロボロだったエンジンを修復するには約3年の歳月を要し、ボランティア達の献身的な取り組みがあったという。その音は土・日・祝日の14時に聞くことができる。
 移築した市内の建物を中心に「まち」を作り、生き字引のボランティア達が見学者を迎える。見学者は建物を探検し、ボランティアと触れ合い、ベカ舟に乗り、昔の玩具で遊び、駄菓子を味わい、ポンポン蒸気の音を聞く。まさに五感を総動員して、浦安のくらし・歴史を学ぶのだ。浦安市の小学校では、博物館を積極的に授業に活用しているという。学校、博物館、地域が一体となった人間づくり。子供達の将来が楽しみだ。

浦安のまち・ガイドブック

所在地 

千葉県浦安市猫実1−2−7

営業時間

9:30〜16:30

休館日

月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)、
祝日の翌日、館内整理日、年末年始

入場料

無料

アクセス

東西線「浦安駅」から「舞浜駅行バス 6番」にて「市役所前」下車
JR「新浦安駅」から「南行徳駅行バス 7番」にて「市役所前」下車

問合せ先

047−305−4300



2002年10月2日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで


ラーメンと昭和の夕焼けと日本人の忘れたもの 〜新横浜ラーメン博物館〜
おふろとレトロ、はじめました 〜湯快爽快湯けむり横丁みはま〜
再開発カウントダウンの中で・・・  〜日暮里菓子玩具問屋街〜
レトロで餃子はなお美味しい!
〜ナムコ・ナンジャタウン 福袋餃子自慢商店街〜

大阪にもあるんやで。昭和の心意気! 〜滝見小路〜
「みろくの里」訪問記
昭和レトロ商品博物館


「復刻チャンネル」の扉へ