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日曜研究家串間努

第28回
「手回し洗濯機から全自動へ」の巻


 全自動洗濯機が出てきた時は驚いた。なにしろタイマーさえ回せば勝手に洗濯しておいてくれるのだ。しかし、手間がかからないが、洗濯時間が割と長いし、最近の傾向として容量が大型化しているので、洗濯物が少ない時は洗剤、水、電気などを意外と食う。そんなことからか、今、バケツ型などの新しいタイプの洗濯機が続々と生まれてきている。

 最初の洗濯機は昭和5年に東芝が発売したもの。初任給が70円のころに250円もしたので、7年間で3千台しか売れなかった。たらい中心の時代には早すぎたようだ。
 昭和30年代半ばからは、家庭電化時代を迎え、洗濯機は急速に普及した。今では一世帯に一台の普及率となっている。
 洗濯機は二層タイプから半自動タイプ、全自動タイプと進化した。日本では「渦巻式」という、底部の回転翼によって、渦巻き状の水流を起こして洗浄する方式が主流であった。
「渦巻式は水をたくさん使いますが、日本は水が豊富にありました。ヨーロッパのドラム式だと、百キロ近い重さがあるため、木造家屋を補強する必要があったから普及しにくかったのでしょう」(三洋電機広報部)。

サンヨー

洗濯機

洗濯機

シャープ

シャープ

 だが、最近は国産のドラム式洗濯機も販売され始めた。「ドラム式」とは周囲に多数の穴を設けた円筒形のドラムに洗濯物を入れ、ドラムを回転させて洗濯物のが落下する衝撃で洗浄する方式だ。布を傷めず、水が少なくてすむ。ヨーロッパで主流の方式だ。なるほど、近くのコインランドリーにこの形のものがあり、「スウェーデン式洗濯機」という不思議な看板はそういう意味だったのか。

 洗濯機の進化は最近著しい。シャープは洗濯から脱水までわずか10分間でできる業界最高速の全自動洗濯機を発売したしし、三洋電機は、超音波を利用して洗浄力を高めた洗濯機を日本で始めて開発した。水流・洗剤の洗浄力に加え、微細な気泡が拡散する時の「超音波効果」で洗浄力を高めた。気泡が洗濯物の繊維の奥まで入り込み、破裂・拡散する際に超音波を発生し衝撃波の振動で汚れを繊維から引きはがす。軽い汚れなら「洗剤量が約半分」で済むという「環境に優しい」洗濯機だ。
 大阪万博で「人間洗濯機」を出品した三洋は、とうとう未来の洗濯機を登場させたのである。
 これからも衣服を人間がまとう限り、洗濯機の進歩は続くだろう。

サンヨー
サンヨー
東芝
東芝
日立
日立
ナショナル
ナショナル

報知新聞を改稿


2007年3月9日更新
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