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「定食ニッポン」タイトル

今柊二
第1回 恵比寿・こづち

入り口の赤いちょうちん

 昼間は恵比寿のオフィスで働いている私にとって、昼食を取る場所の一つは、やはり恵比寿駅周辺である。恵比寿というと、なんだかうわついた雑誌が、スカしたカフェのようなものを特集しているのが目につくが、大体にしてそういう店で不当に高い値段をふんだくったり、劇的にまずかったりする場合は半年と続かない。恵比寿はコストパフォーマンスにうるさい、地元民と貧乏サラリーマンの街でもあるのだった。その意味では、恵比寿駅東口にある「こづち」は地元にこよなく愛されている実に素晴らしい定食屋である。入り口の赤いちょうちん、日替わりを記す黒板、カウンターのみの店内、どれをとっても、定食を食べるという機能だけに絞った構造も実に泣かせる。

黒板

 店内に入ると、どの時間帯も大体、満員に近い状態で、おやじサラリーマン、タクシー運ちゃん、そしてデザイナー、エディター系人間まで雑多な人々が、勝手な組みあわせでわしわしと食べている。そう言えば、田中康夫の「ぺログリ日記」にもこの店は出てきていた。そんな雰囲気に加えて、壁に貼られた長大なメニューに圧倒され、さらに、カウンターのなかから、店のおやじに「何?」と聞かれるのだった。確かに気の弱いヤングならこれだけで、「すみません」と言って店を出てしまいそうである。しかし、ここでひるんではいけないのであった。ただおやじは注文を取っているだけなのだ。メニューが豊富すぎて注文をつくりづらい場合は、いくつか定食の形態となったものがあるので、それを注文してもよいだろう。定食となっているものでオススメなのは、ショウガ焼き定食。巨大かつ分厚い豚肉をジューシーさを残しつつ、ショウガ醤油で焼き上げており、大量のご飯が実にすすむ! つけあわせの大量のポテトサラダと千切りキャベツ、そして煮えたぎった味噌汁を飲めば、もうあなたは満腹だ。これで700円台半ばの値段とは実にお買い得。

ショウガ焼き定食

 さて、何回か足を運んで定食コースを頼み、店の雰囲気に慣れてくれば、次はぜひともアラカルトに挑戦したい。私は長年の研究の結果、次のメニューに落ち着いた。それは「焼きハム+肉豆腐+ライス」である。一見無粋な組みあわせに思えるかも知れないが、実は定食の3要素を満たしている。ちなみに定食の3要素とは「汁、米、おかず」である。焼きハムというのは、周辺が赤い昔ながらのハムをただフライパンで油でいためて、それを千切りキャベツにのっけたもの。ほとんど、自宅で母親がいないときにおやじがつくる昼ご飯のおかずみたいなメニューだ。で、これがおかず。そして肉豆腐とは、これが絹ごし豆腐を甘い煮汁で、ブタの三枚肉とともにさっと煮込んだもので、甘さ加減と、肉のうまさが絶妙な官能にあふれているのだった。で、これに汁が少しついているのだ。これだけとって、値段は500円台でおさまる。

 しかし、こづちは、油断をしていると、おばさんが黙って、自分の前に味噌汁を置こうとする。おばさんは「定食」を汁によって完成させようとしているのだった。これはサービスかと思い気や、しっかりと味噌汁代取られるので、上記の注文をするときは「あっ、味噌汁は要りません」と言っておくのがコツですね(いったい何のコツなんだ?)


2003年6月23日放送開始
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