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「定食ニッポン」タイトル

第5回 ヨコハマの洋食(1)
畸人研究学会今柊二

 大好きな作家に獅子文六先生がいる。「てんやわんや」「自由学校」「大番」などの長編小説もナイスだが、彼のエッセイも実にステキ。食に関するエッセイは、多分日本グルメエッセイ史のなかでもかなり高ランクに位置する。特に生っ粋のハマっ子の文六先生の記す昔のヨコハマの食べもの事情は実においしそうだ。
 ヨコハマといえば、文明開花で、やはり洋食。文六先生のエッセイ(「私の食べ歩き」中公文庫)によると、かつてヨコハマには有名なインゴ屋(因業屋)という日本的洋食の草分けとでも言える店があったらしい。おやじは日露戦争直前の時期でもちょんまげを結っていて、気の向いたときしか店をやらなかったらしく、メニューも一つのコースしかないが、そのメニューがすごい。「素麺入りスープ」「揚げ馬鈴薯つきビフテキ」「ライスカレー」。どうです?食べてみたいでしょ?文六先生によると、ウマイのはビフテキとイモで、特にビフテキは焼け際に醤油を入れるのがコツだそうで、後はおまけみたいなもんだったらしい。でもなんだか、そう麺の入ったスープも、カレーもとても気になるなあ(しかし、このコース、しつこそうですね)。

サンロード

 で、このようにして、ヨコハマには洋食が根付いていたわけですけど、私も1986年にヨコハマに住んで以来様々な洋食屋で、「定食」的なものにありついたのだった。なかでも最も高い頻度で訪れるのが、菊名の「サンロード」。菊名というのが実にシブイ駅で、横浜線と東横線のクロスするターミナル駅のくせに、まったく栄えていないというコマッタ駅なのだった。しかし、昼間サラリーマンやっている私にとっては、朝晩必ず通過せざるを得ない駅なのだった。どうでもいいんだけど、横浜線と私鉄はどうにも相性が悪く、長津田、町田、橋本、沿線のどの駅も接続や乗り替えが結構面倒なんだよね。せいぜい良いのは終点の八王子くらいだ。
 さて、話がそれたが、このサンロードという店は、駅のすぐそばにあって、派手な看板とか出しているわけじゃないけど、いつも客で混んでいる。理由は明快で、安くてうまいからである。特にナポリタンがうまい。サンロードのナポリタンは、あさりなどのシーフードとミートソースのおりなす他店ではまねの出来ない不思議な味だ。またバターライスと名付けられたピラフも、米がしっかりと立っていてウマイ。

平日のランチ

 ただし、個人的にサンロードの圧巻は、平日のランチだ。500円と750円の2種類あるが、500円のものもまったく手を抜いていない。メニューは日替わりで、メンチカツだったり、チーズカツだったり、白身魚とハンバーグだったりするが、かならずたっぷりのドレッシングのかかった千切りキャベツとパスタのつけあわせがつく。通常の胃袋の人は、そのまま500円で食べるとよいが、多食症の人は100円追加してライスを大盛りにしよう。
 きっと、あなたは、満腹の苦しさで午後仕事はできなくなるね。


2003年9月4日更新
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