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その40 ムーラン鉛筆棚の巻
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古い文房具が好きで、文鎮やペン皿など、ちょこちょこと集めてきました。万年筆にも憧れていて、何度特別に注文しようと思ったことでしょう。会社の上司が万年筆で、サラサラと手紙など書いている姿に、「かっこいい〜」と長年思ってきたのです。けれど私、気持ちはあるんですが、字がきれいなわけではありません。どちらかというと読みづらいといいますか、個性的といいますか‥‥。ただ、いいわけとして、左利きだからということにしています。「まぁ、文字なんて読めればいいか」くらいに思ってきました。
ところが、最近私の字がきたないということを、何度か注意されることがあり、もちろん相手は親切心でいっているのですが、
「字はその人の人となりを現すのよ」とか、
「字がきれいだと賢くみえるよ」とか、
「毛筆とまではいわないから、ペン字でも勉強したほうがいいんじゃない?」
などなど。ビシビシいわれるんです。
ならば、とりあえず本でも買ってみるかと、「美しい字が書ける ボールペン字の練習帳」という書き込み式のものを購入してみました。そして、ひらがなの練習からはじめてみると、いかに今の私の字がクセ字になっているかがわかり、たまにはこういうのも必要かと思った次第。
しかし、今回のことで、私は普段からいかに文字を書いていないかがわかりました。だって、ちょっと書いていると手が痛くなるんだもん。もともと筆圧が強いのですが、いやはや、考えてみたら最近手紙も書いてないし。ちょっと反省です。
古い文房具が好きで何個か手元にあるとはいえ、手紙すら書かない今の私の生活では、文房具も泣いている気がしてきました。現に古い文具たちは使っていないのが現状で、ますます反省しちゃいます。でも、中には大活躍しているモノもあります。それは「ムーラン鉛筆」と書かれた木製のディスプレイ用ケースです。
筆記具のディスプレイ用のケースというと、ガラスが使用されて、中身が見えるモノが多いのですが、この「ムーラン鉛筆」は全体が木なので、多少雑に扱っても壊れることがない上、卓上用の鉛筆立てとして使ってみると、たくさん入るのはもちろんのこと、ガラスじゃないことから、ハサミやカッターなども、ポンポン入れても大丈夫ですし、中も見えず、すっきりした印象で、わが家にきた当初から、とても気に入っています。
このケースとは、1998年6月に発行された「ROOMix」という雑誌で、出会いました。かれこれ6年以上も前になりますが、この雑誌は個性的な?若者たちのこだわった部屋を多数紹介しており、彼らが今は売られていない、ちょっと昔のテレビや家具、小物を部屋に飾っているということから、古いおもしろいモノを取り扱ったお店と、さまざまなモノを値段入りで紹介してあるという雑誌でした。
当時、彼らほど若くはありませんが、同じように個性的な部屋にしたかった私は、「今断然気になるのはコレ 大注目アイテム ジャンク・オン・パレード」のページで、「おてごろ価格」のコーナーの中に3,800円というお値段で載っていた、この「ムーラン鉛筆」のケースに「欲しい!」って思っちゃったんです。
お店は東京・下北沢にありました。下北沢といえば、アンティークのモノや懐かしいオモチャなどを扱っているお店が数多くあり(師匠がいる月天もある)、全部まわろうと思えば、1日かかっちゃうステキな街です。私は早速いってみました。
「雑誌に載ったから、もうないかなぁ?」
と思ったのですが、ラッキーなことに残っていました。状態もよく、持ってみると軽くて、大きさも高さが40cm、幅が32cm、奥行が15cmとお手ごろで、すぐに買ってしまいました。そして、この6年間。家での使われ方は変わっていません。たくさんの筆記用具が無造作に立ててあるんです。でも、ムーンライト鉛筆って、実物の鉛筆は見たことがありません。ディスプレイ用のケースがあるくらいですから、そこそこ売られていたとは思うのですが‥‥。
さて、平成17年がスタートしました。
私は、今年から日記と家計簿をつけることにしました。家計簿はここ数年はパソコンでやってきたのですが、日記と家計簿の両方をいただいたので、手書きで頑張ろうと思っているのでした。内心いつまで続くことやら、とも思いますが、せっかくボールペン字の練習もはじめたことですし、頑張ってみたいと思います。
今年はどんな年になるでしょうか?
みなさまにとっても楽しい年になるとヨイですね。本年もよろしくお願いいたします。
2005年1月5日更新
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