第23回 魚が食べたい日々(2)…逗子「つく志」のブツ定食!
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逗子というと、まさに湘南というかんじで、オシャレなシーサイドタウンというイメージがあるが、実際はかなり特徴のある親しみやすい街だ。桑田圭祐の映画で「稲村ジェーン」というのがあり、確か地元民を演じる伊武雅刀(喫茶店のマスター))が、「このあたりじゃ誰も湘南なんて言わないの。ここは稲村ヶ崎」と言うシーンがあったが、逗子にしろ、葉山にしろ、東京人は自らがつくりだした「湘南」のイメージにあてはめているが、実際はそれぞれ地元民が暮らす気負いのない普通の街の側面が強いのだった。ただ、最近は、「湘南」のイメージにつられてふらふら移住してくる「勘違い大将」たちがかなり多くなつてきたような気がする。それでも街には、依然として安い惣菜屋やら、主婦のための新鮮な魚屋やらがにぎわっているのだった。象徴的なのが、逗子きっての老舗のケーキ屋の「珠屋」。あの石原慎太郎閣下もお好きだということだが、私の好きな「メロンケーキ」は、要するにフルーツぽい味のする(この「ぽい」というところがポイントです!ただしメロンも入っているけど)砂糖ケーキであり、「マーロウ」やら「ラ・マーレ・ド・チャヤ」(ともにこのあたりの有名店)のオシャレケーキとは一線を画する骨太洋菓子なのだった。
で、今回紹介する「つく志」も骨太と言えば骨太。なんでも昭和26年創業らしく、昼には定食をやっている居酒屋なのだが、なかでも目をひくのが「ブツ定食」。うーん、スゴイ名前だ。説明するまでもなく「まぐろぶつ切り定食」の省略なのだが、はじめてメニューを見るとびっくりします。店で注文すると「はい、ブツ一丁!」とおかみさんに言われるのでさらにビビリます。出てくるのは名前のとおり、まぐろのサイコロ状にきったものが味噌汁、おしんことともにやってくる。
ワサビをひたすら醤油で溶いて、それにブツをグギグキひたして、ご飯にのっけてガキガキ食べれば、「米とマグロさんありがとう」という素朴なおいしさ!
近所の三崎でとれるせいかマグロが新鮮で実にうまい。ただブツにするマグロなのでやや筋っぽいがそれもご愛敬。これで550円!。海辺のレストランでワイン飲んで失楽園ごっこしてスカしている場合じゃありません。
2004年7月14日更新
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