「まぼろしチャンネル」の扉へ
「番組表」へ 「復刻ch」へ 「教育的ch」へ 「東京カリスマch」へ 「日曜研究家ch」へ 「あった、あったch」へ 「再放送」へ 「ネット局」へ
ら〜めん路漫避行
まぼろし書店・神保町店
少女漫画 ふろくの花園
帝都逍遙蕩尽日録
定食ニッポン
駅前ガラクタ商店街
日本絶滅紀行
怪獣千一夜
秘宝館
掲示板
マガジン登録
メール
まぼろし商店街
まぼろし洋品店

「ガラクタ商店街」タイトル

 

レースのハンカチその47 「旧軽の軽井沢レトロ館にてレースのハンカチを買う」の巻

弓屋かえる堂さえきあすか


cafeカド

 2カ月前のこと。軽井沢に行ってきました。
 駅前で自転車を借りて、旧軽井沢商店街に向かいます。思えば軽井沢に来たのは2年ぶり。駅前は別として、山々に囲まれた落ち着きのある街の雰囲気は変わりなく、1人きりの気ままな小旅行としては、おススメできるステキな場所です。
 でも、今年の気候は変。5月も下旬だというのに寒い寒い。昨日なんて軽井沢にはヒョウが降ったというし、気温だって氷点下になる日もあるとか。雨も多くて例年に比べるとお客様も少ない…と、ふらりと昼食を食べに入ったCaféで聞きました。
 トマトと海老、アスパラがふんだんにはいったスパゲティーは美味しく、下調べもなしに“勘”で入ったのは正解。食事が美味しいと、ほかにもいいことがあるような気がするし、なによりお腹がすくと元気がなくなって無口になってしまう私としては、充電もできてひと安心。1人で散歩する軽井沢も悪くないなぁ…ってニンマリしてしまいます。窓越しに外を見ると、例年より寒くたって木々は季節どおりに芽吹いており、太陽の光をあびてキラキラと輝いています。見るからに美味しそうというか、いえ、ホントに美しい。開けっ放した玄関から、ひんやりとした風とミツバチが入ってくる様子も、サワサワと木々が揺れる音も、今の私の気分にピッタリあって(どんな気分だ?)、なんだか嬉しくなりました。

旧軽公民館入口

mu.muのお店
軽井沢レトロ館
全国古民具骨董 蚤の市案内品切中

蚤の市案内 品切中

少しわかりづらかった看板

少しわかりづらかった看板

 軽井沢というと、私の脳裏に真っ先に浮かぶのは、毎年夏の1カ月間だけ公民館で開催される蚤の市です。昭和58年に光芸出版より発行された『全国古民具骨董・蚤の市案内』によると、軽井沢の蚤の市は昭和42年にスタートしたとか。歴史のある市なのですね。私の知人も何度もココにきていて、公民館に泊まり込み、「業者さんとお酒を飲みながら、さまざまな話をするのが楽しい」って聞かされてきました。そして「泊りがけで遊びにおいでよ」って何度か誘われていたのですが、「今度ね」って返事のまま、数年経ってしまったのです。そんな蚤の市の季節には少し早いのですが、今回軽井沢にやってきた目的はというと、今年の4月にオープンした骨董館を見にきたんです。場所は旧軽井沢商店街の真ん中にある郵便局のお向かいの2階で、「軽井沢レトロ館」といいます。話が前後しますが、昨年暮れに「今度3人で軽井沢に骨董館を開くことになったんだ」というお話を、新宿にある「人形骨董・たけひ」のご主人である竹日忠芳さんから聞いていました。竹日さんには日頃からお世話になっている私は、機会があったらいってみようと思っていたのです。

広い店内

アンティーク・ドールたち

ガラスケースの中は盛りだ沢山

古いカメラたち

少し古い建物なのがステキ

 昼食でエネルギーをもらって、少々寄り道をしながら(大倉陶苑のお安いお店があるのです。実はひそかに洋食器好きだったりします)、「軽井沢レトロ館」に着きました。さっそく入ってみると、結構年代物の建物で中央の太い柱が印象的です。広いなぁと思ったら50坪あるそう。店内はガラスケースが何個も置いてある、今流行りのケースショップですが、ふと、池袋にあった古民具骨董館を思い出しました。それぞれのお店に店主がいないだけで、この静かな雰囲気と店構えは古民具骨董館のようだと思ったのです。4月にオープンしたなんて思えません。実に馴染んでいるというか自然な感じの店内なのです。参加業者は35店。関東、甲信越の業者さんだけというのが特徴です。並べているモノたちも軽井沢という土地に似合った少し高級なアンティークが大半で、ガラクタ好きの私には少々敷居が高いのですが、ケースの中にズラリと並んでいるアンティークは、見ているだけでもワクワクしてきます。
 
 先にも書きましたが、「軽井沢レトロ館」は3人で経営しておられます。うち1人が佐藤袈裟孝さん。このお名前どこかで?と思ったら、『横浜骨董ワールド ガイドブック』にて連載記事を書いておられたのでした。少しだけご紹介させていただくと、昭和30年代から60年頃まで映画づくりの裏方として映画界に携わってこられた経験を、『活動屋の覗き眼鏡』と題して書いておられるのです。その後生まれ故郷である旧軽にて骨董屋さんを開かれますが、先のバブル経済の影響で、商店街には流行りの店が次々と立ち並び、自分が幼少の頃より親しみ、誇りに思ってきた街とはかけ離れていく様子に耐え切れず、旧軽から離れてしまったとか。そして7年の月日が流れ、気がつくと軽井沢の駅前には大きなアウトレッドの商店がオープンし、旧軽井沢商店街にも変化が起きました。いいのか悪いのか今では軽井沢の観光というと、駅前の商店街だけを見にくるお客様もでてきたとか。そんな時代の流れの中で、少しずつですが旧軽井沢商店街は昔ながらの景色が戻ってきたと感じた佐藤さんは、「軽井沢レトロ館」に携わることにしたのだそうです。
 
 2人目は田野則子さん。横浜骨董ワールドの受付をやっておられ、私も一緒に働いたことがありますが、テキパキとした魅力的な女性です。「黄色いりぼん」という屋号にて、外国から仕入れてきたアクセサリーや、里帰り物、特に「オキュパイド・ジャパン」の刻印があるモノを扱っておられるのです。当然語学は堪能(うらやましい)。日本が、戦後アメリカの占領下であった時期につくられた「オキュパイド・ジャパン」モノは、物資不足の影響で品質はいまひとつなモノが多いのですが、つくられた時代が限定できることから、蒐集しておられる方も多く、私も何点か持っています。ちなみに田野さんが「オキュパイド・ジャパン」をはじめて手にしたのは、今から15年ほど前のことで、ロサンゼルスで出会われたとか。なんでも馴染みのアンティークショップで、50年代の洋服や鞄を仕入れていた時に、刻印のある小さな女の子のお人形をいただいたのがはじまり。そのお人形の可愛らしさに惹かれて集めるようになり、増えてきたので販売するようになったそうです。

人形今昔品切中

人形今昔 品切中

改訂新版 値段手引骨董図鑑

 そして3人目が竹日忠芳さん。古物の鑑定士としてテレビ出演もされており、現在品切中の『人形今昔』(北辰堂発行)や『改訂新版 値段手引骨董図鑑』(光芸出版発行)の著書をはじめ、何度もご紹介してきました『横浜骨董ワールド ガイドブック』などに関わりながら、多くの骨董市に出店、企画までしておられ、「人形骨董・たけひ」という骨董屋さんもやっておられます。店名からもおわかりのように人形専門店で、お店にお勤めの田島さんも大のお人形好き。ついつい私は人形のことでわからないことがあると、田島さんに聞いてしまうのです。興味のある方は足を運んでみてくださいね。ただし、骨董市では人形よりもお皿や古道具など、さまざまなモノを扱っておられ、なにがでてくるかわからないのが魅力です。
 「人形骨董・たけひ」
 住  所:東京都新宿区下落合3−1−17 メゾン目白101
 電話番号:03−5996−4105
 営業時間:12:00〜19:00
 定 休 日:日曜、祝日
 
 「軽井沢レトロ館」に話をもどしまして、この日は50坪の一角を使って、地元の方の個展を開催しておられました。歴史ある古いモノたちを紹介・販売する傍らで、地元の作家さんの個展や貴重なコレクションの展示などもしていく「軽井沢レトロ館」。軽井沢での発信の場としても活躍していきそうです。お近くにお寄りの際は、ぜひぜひのぞいてみてください。

大城レース店

レースのハンカチ

 さて、私は軽井沢にきたら「大城レース」でレースのハンカチを買おうと思っていたのですが(友人にすすめられたのでした)、「軽井沢レトロ館」でもレースのハンカチを売っていたので、ついついこちらで買ってしまいました。近頃年齢を重ねてきたせいか、冠婚葬祭の場に出席することが多くなり、真っ白いレースのハンカチが便利であることに気づいた私は、3枚ほどつれて帰ったのでした。

「軽井沢レトロ館」
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢586-1 旧軽井沢銀座通り中央2階
定休:木曜日
営業時間:11:00〜18:00(夏季は20:00まで)
問い合わせ:080-5528-4999


2005年7月21日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで


その46 濱田研吾さんの『脇役本』、大山と富士山型貯金箱の巻
その45 横浜骨董ワールド&清涼飲料水瓶&ターコイズの指輪の巻
その44 『セルロイドハウス横浜館』とセルロイドのカエルの巻
その43 奈良土産は『征露軍凱旋記念』ブリキ皿の巻
その42 ブリキのはがき函と『我楽多じまん』の巻
その41 満州は新京の絵葉書の巻
その40 ムーラン鉛筆棚の巻
その39 「Luncoのオモシロ着物柄」の巻
その38 ペンギンのインキ壷の巻
その37 「更生の友」と「ナオール」こと、60年前の接着剤の巻
その36 鹿の角でできた「萬歳」簪の巻
その35 移動し続けた『骨董ファン』編集部と資生堂の石鹸入れの巻
その34 「蛙のチンドン屋さん」メンコと亀有名画座の巻
その33 ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰの巻
その32 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 後編
その31 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 前編
その30 『家庭電気読本』と上野文庫のご主人について‥‥の巻
その29 ちんどん屋失敗談とノリタケになぐさめられて‥‥巻
その28 愛国イロハカルタの巻
その27 ちんどん屋さんとペンギン踊りの巻
その26 「ラジオ体操の会・指導者之章」バッチと小野リサさんの巻
その25 針箱の巻
その24 カエルの藁人形と代用品の灰皿の巻
その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻
その22 東郷青児の一輪挿しの巻
その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
その15 単衣名古屋帯の巻
その14 コマ太郎こと狛犬の香炉の巻
その13 口さけ女の巻
その12 趣味のマーク図案集の巻
その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
その9 カール点滅器の巻
その8 ピンク色のお面の巻 後編
その7 ピンク色のお面の巻 前編
その6 ベティちゃんの巻
その5 うさぎの筆筒の巻
その4 衛生優美・リリスマスクの巻
その3 自転車の銘板「進出」の巻
その2 忠犬ハチ公クレヨンの巻
その1 野球蚊取線香の巻


「カリスマチャンネル」の扉へ