その61 元旦の福袋!
日満ポンプと戦前鉛筆削りの巻 |
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2007年1月1日月曜日・元旦。たまたま骨董市に遭遇しました。
「元旦から大変だなぁ」
と思いつつも、昔は元旦に京都の骨董市へ行ったり、真冬の早朝に業者さんと一緒に骨董市へ行って、お店のお手伝い&物色をしていたことを思い出しました。2月の早朝2時に埼玉県川越市の骨董市に行った時の寒さは、今でも身震いするほどに、よく覚えています。足や手の指先が、どんどん冷たくなって、感覚が麻痺いくのを感じながら、お客様の対応にも顔がこわばってしまって、思うように動けないくらい寒かった。そんな経験から、例年よりはあたたかいといっても、元旦に出店しておられる業者さんには頭の下がる思いです。
「なにかあるかなぁ?」
すぐに近寄って物色スタート。数分としない内に、視界に飛び込んできました。キラキラ輝くモノが!
「どうせ高いだろうなぁ…」
と思いましたが、元旦だし(?)値段を聞くだけ聞こうと、平静を装って店主に声をかけました。
「おいくらですか?」
「2,000円だよ」
ん?思ったより、安いな。
「状態いいですね」と私。
「80歳のおじいちゃんが持っていたモノなんだよ」とご主人。
なるほど。コレクションだったのですね。だとするとほかにもあるかも。視線をずらすと、これまた私好みのモノが並んでいました。こちらには小さく2,000円の値札が付いています。瞬時に安いと思いつつも、これまた平静を装いながら手に取ると、
「それもね。同じおじいちゃんのコレクションだよ」
といわれました。私はドキドキ高まる感情を抑えつつ、とっさに欲しいモノたちをまとめて、値段交渉に入りました。合計金額9,000円也。
写真を見てください!
私的には掘り出し物、まさに福袋だと思うのですが、いかがでしょう? 日満ポンプ2ツ。日英同盟を記念したブリキの太鼓。犬の鉛筆削り。方位磁石付き犬の鉛筆削り。大砲型鉛筆削りの合計6点を、このお値段でゲットできたのです。実にラッキーな出会いであります。
(1)日満ポンプ2ツ。
これは水鉄砲です。注目すべきは日本と満州国の国旗がプリントされていることで、昭和戦前の歴史を物語る玩具なのです。
(2)日英同盟記念太鼓。
兵隊さんの後ろの国旗は、少々わかりづらいですが、イギリスの国旗と旭日旗です。日英同盟を記念してつくられたブリキの太鼓なのですね。
(3)鉛筆削り3ツ。
私が戦前の鉛筆削り好きなのは、何回かご紹介してきましたが(その20、その54参照)、こんなに可愛らしく、状態の良いモノには、なかなか出会えません。
1ツめは、まるで指人形のような鉛筆削りです。愛嬌あるワンちゃんの顔がセルロイドでつくられ、胴体には「鉛筆削」の文字が右横書きで書かれており、書体も実にカッコイイ。壊れたら嫌なので筆箱には入れられませんが、机の上にチョコンと置きたい一品です。
2ツめは、同じく犬がモチーフの鉛筆削り。思わず80歳のおじいちゃんは、もしや戌年?なんて思っちゃいましたが、調べてみると寅年でした。それも方位磁石まで付いていて、アンチモニー製。重さもあるので、ペーパーウエイトにも使えます。
3ツめは、大砲型鉛筆削り。車輪が回ります。よく取れずに残っていたと感心してしまいます。
大正15年生まれのおじいちゃんは、この玩具たちを子供の頃の懐かしさで買い戻されたのか、それともご自宅に残っていたモノなのか。骨董屋さんにだされたということは、次の人へわたしたいと思われたわけで、私も大切にしようと思いました。と同時に、元旦からモノ運が良かったので、今年はイロイロやって来るのかしらん? なんて思ったのでした。
余談ですが、今年は年賀状をつくりませんでした。私としては珍しいことです。いただいていながら、お返事もだせずにいる方も、います。スミマセン。寒中見舞いをだそうかと考えているところです。
2007年2月2日更新
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