その82
昭和初期につくられた
簪を入れた小引き出しの巻 |
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「俺たち“あらふぉー”は、体調気をつけないとね!」
って、同じ年の男性にいわれちゃいました。
40歳前後…。気がつけば、そんな年代に。最近鏡に映る自分の姿や、写真に写る自分の顔を見ていると、それだけの時間を重ねてきたなぁと、悲しいかな、実感することも多くなりまして、子供時分に思い描いていた大人の女性には、まったくなりきれていないと思いつつも、オバサンになったなぁと、しみじみ思います。どうせオバサンになるのなら、気合いを入れてオバサンになるぞ! とばかりに、20も年下の女の子に叱咤激励する今日この頃です。
しかし、最近の悩みのひとつに服装があります。今まで着ていたものが、なんだか似合わなくなってきたのです。サイズ的に苦しくなってきたのもありますが(悲しい)、デザインとか、しっくりきません。これも年齢のせいでしょうね。中途半端な世代といいましょうか。そして服装だけではありません。鞄などの持ち物やジュエリーもそうで、高価なモノはつけるつもりはありませんが、本物の石を身につけたいと思うようになりました。実は2年くらい前から、水晶や天然石に興味がでてきて、少しだけ集めたのですが、棚の上に並べていると、ホコリもたまるということで、小さな引き出しの家具が欲しくなっていたのです。そう思ってから半年。簪を集めておられた方が使っていたという、少し変わった引き出しと出会いました。
高さが350ミリ、奥行きが390ミリのその家具の、変わっているところは、一番上の段が引き出しではなく、厚み1センチほどの板だということ。引き出すとお盆のようなっており、そこに簪を置いて、眺めたのか、手入れをしたのか、なんだか“粋”って思わせる素敵な引き出しなのです。全部で6段ある引き出しの内側には和紙が貼ってあり、一番下の引き出しは深さがありますが、ほかの5段は、簪用なのか35ミリと浅く、たくさんの簪が入りそうです。いったいどんな簪が入っていたのでしょうか。お店の人の話では、結構高価なモノばかりだったとか。この小引き出しも、簪コレクションのために誂えたのではないかとの話でした。
全体が茶と朱の中間色のような色で、引き出しと引き出しの間はくすんだ金色に塗ってあるという上品な色合い、そして、取っ手がないので、実にすっきりしたデザインです。当然引き出しは後ろから押して開けることになりますから、前後に空間がないと置けないという難点もありますが、シンプルなデザインが気に入りました。お店のご主人いわく、漆の色合い、色落ちから、昭和初期頃につくられたそうです。和室の部屋で、着物姿の女性が、お気に入りの簪を眺めている様子を想像すると、色っぽくて楽しい気持ちになりました。
私は簪を持っていないので、その58でご紹介した上野十三やで戦前に作られた、つげの櫛を一番上の台に置いてみました。素敵です。似合いますね。今後この引き出しに、天然石やジュエリーをいれたいと思います。もちろん、その79でご紹介したブルームーンストーンのクロスペンダントも入れます。今は、まだまだスカスカですが、凝り性なので、石は増えていく気がします。そうそう、隕石もおもしろいと思いまして、ギベオン隕石の指輪をつくっちゃいました。ギベオン隕石は、1836年に南アフリカで発見された鉄隕石で、細かい網目模様のウィドマンシュテッテン構造は、洗練されたクールな感じの模様で、ぜひとも指輪にしたいと思ったのです。シルバーの色合いも素敵ですし、なんといってもロマンがあるといいますか、神秘的ですよね。思うに、私の気に入る石?は、変わり種が多いので、あらふぉ〜の女性に似合うかどうかは、疑問です。
2009年 2月 25日更新
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